2005年に入ってアメリカ・カリフォルニア州で大量の鳥が死んだという情報が入ってきた。それは西ナイル熱による感染が原因らしく、人間にも感染するだろうと厚生労働省でも注目している。
西ナイル熱(ウエストナイル熱)は、病原体ウィルスによる発熱で、1937年アフリカのウガンダ北西部の西ナイル地区の女性発熱患者の血液から分離されたもので、西ナイルウィルスという名称がつけられた。当時はアフリカの一風土病にすぎなかったが1999年に米国ニューヨーク市周辺で流行が報告されて注目されるようになり、2003年までには40州で数千人がこの西ナイルウィルスに感染した。2002年の報告では44州で284人が死亡したという。その後も死亡者が増えてきてアメリカでは重篤な病気として認定している。我が国では今のところ重大な感染者はいないが、昨年の発表ではその疑い者とみられる女性がいた。
西ナイル熱は、西ナイルウィルスに感染した蚊にさされる事によって、2日?6日の潜伏期の後に発病する。3日?5日続く突然の発熱(39℃以上)によって頭痛、背部痛、筋肉痛、咽頭痛、めまい、発汗などの症状を示す。有症状の人が20%、無症状の人が80%で、さらに症状が悪化すると猩紅熱様発疹、腹痛、嘔吐、髄膜炎、リンパ節腫脹などの症状が出てくる。
この病気に対する特効薬は無く、ワクチンすらいまだ研究段階である。このウィルスは日本脳炎などのフラビウィルスに対して交叉反応を示すので注意を要する。
現在の治療法としては対症療法のみである。予防としてはまず、蚊に刺されないようにする。虫よけ剤も一法であるが、蚊のすみかとなりやすい水たまりなどを自分の周りに作らないようにするなどである。厚生労働省の指導では(1)海外で感染した人が帰国後に発症、及びその疑いのある場合(2)カラスの死骸や蚊から西ナイル熱のウィルスが検出された場合(3)国内での感染が判明した場合、などに分けて国の医療機関で行動指針を示している。
これからも、渡航やいろいろな国の人との接触も増えてくるであろうし、それによってさまざまな風土病や流行性疾患などがわが国にも侵入してくると思われるので、国のみならず我々国民一人ひとりが注意する心掛けが必要ではないだろうか。
<参考資料>
・厚労省ホームページ
・朝日新聞2004年9月12日
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