自殺者が増え続けている

se1.jpg このところ国内の自殺者が8年連続で3万人を超えている。WHOの統計によると2000年には世界中で100万人が自殺しているといわれる。わが国でも近年自殺願望者が増え、今や大きな社会問題になっている。特に中高年の自殺者が激増している。90年頃までは最も多かった20代の自殺者が減少し、変わって30代が3割に達し、若年層と中年層のはざまで不安に追い詰められている。

 15歳から54歳までの死因は自殺が1位か2位に位置している。特に最近増加しているのは中年の自殺である。その理由としては「格差社会の影響」が一番多く、次に定職に就きにくく自分の生き方が確立しにくい状況での自殺、また職場や社会での悩みや不安によるものや対人関係などから仕事でのミスによって追い詰められるものまで、多種多様のものがある。

se2.jpg ただ、一人の自殺者の背後には必ず多くの未遂者がいるということを忘れてはならない。また、自殺によって恋人や家族、仲間、友人など大きな心のショックやダメージを受ける人も少なくないということも忘れてはならない。得てしてマスメディアでは自殺者だけを大きく取り上げるが、それによって多大な影響を受ける人たちが必ずいるものだ。

 では、自殺の要因は何か。一つがうつ病。自殺した人の90%が何らかの精神的疾患や精神障害を患っている人だ。二つ目が生活的要因。これは自殺をしやすい性格的なものを有する人、つまり攻撃性や衝動性が強くコントロールできない人を指す。三つ目には喪失体験。身体的喪失は体の機能を失わせるとか、健康の急激な衰えや経済的喪失が考えられる。四つ目が家族因子による。家族の中で自殺した人がいるとおのずと遺伝子が働き、同じことをしたくなる原因を作る場合である。他の要因としては、仕事による疲労困憊、絶望、孤独など心の疾患によるものなどがある。

 これらの事に対し、政府は昨年末より自殺予防の総合対策を発表したり、NPO法人などが自殺対策の基本法の設定に向けて活動している。しかし、実際にはこの問題に十分に対応が出来ないでいるのが現状である。

se3.jpg 戦後、格差社会をなくすため中流社会を作ってきたが、ここへ来て貧富の差がくっきり出てきて、勝ち組が負け組みに対しいたわる心がなく負け組みに挫折感を味あわせることが自殺者を増やしているように思えてならない。もっと人と人とのつながりを大切にすることで自殺者を減らすことが出来るのではないだろうか。


参考記事「5月10日毎日新聞」

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