日本映画の巨匠今村監督逝く

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44.jpg 人間の欲望や業を絡めた個性豊かな作品を作り続けた日本いや世界の巨匠今村昌平監督が亡くなった。日本映画の宝といわれた黒沢明監督に憧れ映画界に入った今村監督は「盗まれた欲望」で監督デビューし、その後「神々の深き欲望」「復讐するは我にあり」「日本昆虫記」など情熱をみなぎらせた数々の秀作を手掛け、83年に「楢山節考」、97年に「うなぎ」が日本人で初めてのカンヌ国際映画祭で二度、最高賞であるパルムドール(グランプリ)を受賞し、名実ともに“世界映画の巨匠”の仲間入りをした。
 私も若い時から映画好きで、よく今村作品を鑑賞した一人である。特に印象に残って何度も観た映画に「復讐するは我にあり」がある、リアリティーを出すため、ロケーションを実際の場所を使って撮影を敢行したという。この作品は狂気と正気のせめぎ合いを見事に表現した素晴らしいもので、今でも私の心の中に印象深く残っている。また、監督は好んで個性豊かな役者を選んで登用し、独特な人間臭さを持つ映画を作り続けた。

44b.jpg 最近では柄本明主演の「カンゾー先生」が印象に残っている。医者の息子であった今村監督が「医は仁術」を実践したこの作品は、同じ医療者として患者さんと関わりを優しくリアルに描いているのに感動したのを覚えている。また監督はカンヌ国際映画祭でのインタービューの中で「枯れたといわれたくない。不良老人と呼ばれたいね」と語っている。ここ数年日本映画も復活の兆しが出てきた時だけに惜しい人を失ったものだ。

Drの四方山日記(44)

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2009年6月

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