「ごん助村」を訪ねて

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76.jpg 日曜日、家族の誕生日を祝って私の家族と仲間2人を連れて、東京の郊外にある八王子の高尾山に行った。高尾山といっても登山するのではなく、20年来の友人である井上淑博さんの経営する“いろりの里”高尾山名主「ごん助」を訪れた。この「ごん助」は奥高尾の山麓にあり、甲州街道を高尾山口から相模湖方面へ向かって車で10分程走ると、大垂水峠の入り口の手前両側に小さな村を思わせる一角がある。これが『ごん助村』である。

井上さんは以前、この「ごん助村」をつくるにあたってのエピソードを私に話してくれたことがある。それによると、彼の家は農家で貧しく家庭を助けながらいろいろと苦労し大学までいった。その大学時代に、都会に生活し田舎に帰られない人や田舎を思い出させてくれる場所に、昔懐かしい暖炉を囲んで田舎気分を味わえるような店をつくりたいという希望を持った。そこで地元の農家から昔の生活用品や農具を譲り受けた。建物も雪国の古い民家(富山県・五箇山)から家ごと買い復元して田舎の雰囲気を作り、なおかつお店から見えるところに庭や池、離れの個室まで両親と共に4年かけてつくり上げた。訪れたお客さんが建物に足を踏み入れた瞬間タイムスリップした雰囲気を味わってもらおうとしたり、暖炉を囲んで炭火焼料理を頂く情景は、まるで童話に出てくる村を思わせる。また「ごん助村」には『ごん助ののみ口』という物語があるという。まさに高尾山の名主である。しかし彼もすべて順風満帆とは行かず、6年前大火があり母屋が全焼し大打撃を受けた。しばらく憔悴していたが、自分を見つめ直すために、彼は海外へ出掛けた。その時趣味のカメラを片手にいろいろな国に行き、田舎町を周り、農家の生活や子供たちの姿を撮りまくった。そこで見た親子関係や子供たちの姿を見て、再度自分も頑張らなきゃという気持ちになり、大火後の復興に努め現在の素晴らしい「ごん助村」が出来上がった。私も時々家族や友人、経営者仲間たちと、この「ごん助村」を訪れて田舎の雰囲気を味わせてもらっている。ここの料理は炭火焼の暖炉でひな鳥、海老、鮎の塩焼き、うずらの卵、野菜などを焼き、また名主さんの家で作る田楽、小鉢、ごま豆腐、麦とろご飯やおそばを客に振舞っている。値段も安いので誰でも気軽に利用できるところが素晴らしい。最近は自然の中で風情ある雰囲気を楽しめる店が少なくなっている中で、「ごん助」のようなお店が存在しているのはありがたい限りである。

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Drの四方山日記(76)

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2009年6月

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