亀田一家の世界戦

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89.jpg 8月2日横浜アリーナでWBAライトフライ級王座決定戦が行なわれる。その試合に今ボクシングで最も注目されている亀田興毅選手が出場する。相手は世界ライトフライ級1位のファン・ランダエタ(ベネズエラ)である。このボクサーは経験もあり適応力の高さも持つハードパンチャーである。おそらく凄まじい試合が行なわれるのではないだろうか。
 さて、亀田興毅・大毅・和毅の3兄弟をまとめる父、史郎氏はトレーナーとしては超一流に見えるが、どうも普段の言動に問題があるように思える。確かにボクシングに限って言えば相手に対しての威嚇やパフォーマンスは絶対必要であるが、しかし、父が子を育てる教育についてちょっと疑問視するのは私だけであろうか。先日、ボクシング界の偉大なチャンピオンであった具志堅用高氏が亀田選手について「亀田の実力や未知なる可能性は認めるが、あまりにも話題先行、キャラクター作り重視の、マスコミ主導の作られたブームという感じがして嫌ですね。」と苦言を呈した。世間では辰吉と亀田を重ねる人がいますが、辰吉の方が少なくとも洒落や知性がある。亀田一家にはどうも底の浅さを感じる。
 亀田に近いあるジャーナリストが、興毅が17歳の時初めて出会った。その時彼は次のように述べている。「腹いっぱい食べる金がないねん。俺たち兄弟はめちゃくちゃ食うんやけど、親父に迷惑がかかるのであまり食べないようにしてんねん。練習場所に行くにも電車賃やホテル代でもう金がないんや」その言葉に返す言葉がなかった。あれから2年、生活に飢えた少年は一気に出世街道を駆け上がり、今まさに世界に挑もうとしている。

 どのジャーナリストも彼たち一家を取材して脅かされるのは「勝負」に対しての執着心である。彼たちにとっては練習もまた真剣勝負である。19歳の若者がハングリー精神を持ち合わせた立派な勝負師になることには頭が下がるが、もっと彼たちを愛情を持って包み込むような人物が必要ではないだろうか。これとよく似た人物に、アメリカのマイクタイソンがいる。彼はボクシングさえ強ければ、非倫理的なことを犯しても自分は許されると勘違いした。大人たちの弱みを見透かして行動することが当たり前だという間違った意識が、後の婦女暴行事件や対戦相手の耳噛み事件を起こしたのである。つまり、精神面を鍛えていない人間は最終的には破滅するということである。
 その点からも亀田一家を取り巻く人たちが、もっと世の中の厳しさや優しさを教え込んで、肉体的にも精神的にも成長した本当の“世界チャンピオン”になることを願っている。

Drの四方山日記(89)

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2009年6月

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