![]()
昨日、マスコミなどで興味深いニュースを報じていた。それは1960年、当時の科学技術庁長官であった中曽根康弘氏が21世紀初頭の技術予測(原子力、医学、宇宙など35項目)をした。
そのうち携帯電話、電子レンジ、人工授精・精子の永久保存など54項目が実現したと文部科学省が公表した。当時「21世紀への階段」のタイトルで出版され、センセーションを巻き起こした。ただ、実現しなかった大きなものとして月への拠点となる「地球空港」の洋上設置や、テープレコーダーに吹き込まれた家事をこなす電子お手伝いさんなどであるが、特に全く振るわなかったのは原子力関係であった。
20世紀は何かひたすら走り抜けて来た時代のように思う。それに対して21世紀初頭は新しい時代のきっかけをつくる真っ只中にあるように思う。確かに未来を予測することも無意味ではないが、これだけ科学が進歩した時代、放っておいても近代化はどんどん進み自然に社会にマッチした時代へと進む傾向にあるようだ。21世紀は近代化の中で傷ついてしまった環境や人を回復するところから始まるように考える。例えば「地球温暖化」に代表される環境問題、「癒し」や「スローライフ」を求める人の問題を、都市や国家の中で解決していくキーとなる。
科学技術庁は未来像の6割は実現しなかった、と発表しているが、私は違う考えを持っている。実現しなかったものの中で何割かは、ほとんど未来像に近づいているものがあるのではないだろうか。例えば空港の洋上設置はすでに関空や中部国際空港などが実現しているし、技術面においても20世紀と違い格段の成長を遂げ現代社会に実現している。その他として、我が国の宇宙開発も失敗は続けているが、その失敗を元に前向きな姿勢で研究が続けられ近いうちには各国と肩を並べる状況に達するのではないだろうか。
21世紀は政府がいう“活力ある高齢化社会を支えるシステムの構築”を進めているが、我が国は世界に類を見ない形で高齢化社会、あるいは人口減少社会へと突入している。また、日本の伝統的文化の継承が薄れ、新しい文化が台頭して社会に浸透しようとしている。これらの、こともこれから21世紀の大きな課題の一つになってくるのではないか。おそらく文化とテクノロジーの融合、芸術、学問、技術、医学を統合した時代に急激に変化していくのではないだろうか。今後残す21世紀は、どんな社会が待っているのだろうか。
Drの四方山日記(117)