2006年9月アーカイブ

yomoyama01.jpg

141.jpg 近年、“地産地消”という言葉が浸透してきたように思う。その根底をなすのが「伝統野菜」で、地方の各地域で取れる独特の形や色や味をした有機野菜が、今まさに復活して見直されている。

なぜ今「伝統野菜」なのか?ここ20年は食料自給率が極端に低くなり、輸入食料に大きく依存してきている飽食大国・日本。世界中から食料や食品を買い集め、スーパー、デパ地下で季節に関係なく売っている。今や好きな食品は何でも手に入り単価も安い。しかし毎日消費している食料の大半は中国や米国、韓国など世界各国から輸入されているものである。これらの食料には有害な添加物や高濃度の残留農薬を多く含んでいる。それらのものを私たちは気づかないうちに摂取して、農薬などに蝕まれて病気になっていくのである。ではなぜ汚染された野菜を禁止されることなく輸入しているのか。それは国の検査体制に問題があるようだ。基準に従ってきちんと検査して人間にとって有害になるものは排除すべきはずであるが、ずさんな検査で危険な野菜がほとんどフリーパスに入ってきているのが現実だ。何かことが起った時に初めて食糧庁や厚労省が動くのも変な話である。

そこで、安心安全な食料(野菜など)を消費すべく「伝統野菜」について記してみる。「伝統野菜」と聞いて何をわれわれは思い浮かべるだろうか。秋田のとんぶり、東京の練馬大根、飛騨の赤かぶ、関西の賀茂なす、京都の聖護院大根や壬生菜、鹿児島の桜島大根などが代表される。なぜ「伝統野菜」が体にいいのか。それは独特に風味が豊かなだけでなく、栄養価が高くまた生物的抗変異作用(DNAによって修復する力)や抗酸化作用が高いことにある。確かに「伝統野菜」は大量生産や大量消費はできないという弱点はあるが、「食の安全」や独特の味覚で本来の「旬」を意識させてくれる。伝統的な食材と料理で地域の暮らしをもう一度見詰め直すいいきっかけになれば素晴らしいことである。「伝統野菜」は地産地消ブームの旗印として、今後より高く再評価されることだろう。

Drの四方山日記(141)
Oisix(おいしっくす)/Okasix(おかしっくす)

yomoyama01.jpg

140.jpg 最近老人を狙った窃盗や詐欺、悪徳商法などの事件が多発し、高齢者の生活を脅かしている。特に窃盗団による犯罪が多く発生しているようだ。
平成18年上半期の侵入盗のうち住居侵入、窃盗の発生場所は住宅が約60%を占めている。これは高齢化社会に入って増加に拍車がかかっているようだ。過去の例だと侵入・窃盗・詐欺などの被害に遭っても生命に危険が及ぶことはなかったが、最近ではそれすら保障されない。


 このところこれらも都会の犯罪だと思われていたが、最近は地方の老人ホームや一般家庭でもが多発しているようだ。窃盗犯の中には「日本の田舎は泥棒天国」という輩もいるほどだ。日本は世界でもトップクラスの高齢化社会で、少子高齢化社会は人間と人間のつながりや地域コミュニティは崩壊し地域社会の構造は希薄になって、犯罪者にとって最も狙いやすい状況をつくっているようだ。

 老人を狙った犯罪で多いものに4つある。
1つは『オレオレ詐欺』。家族を装って電話をかけ、孫や子供が交通事故や事件に遭って至急お金がいるなどと騙し、高額のお金を振り込ませる詐欺である。複数の人間が弁護士や警察、被害者などになりすまし、巧妙な手口で騙し取る極めて現代的詐欺である。実を言うと、老人ではないけども私たち夫婦も危うく騙されるところであった。それは私が主催する会の当日、1本の電話がかかり息子が妊婦をはねるという交通事故を起こし、困っているというものであった。被害者の夫で弁護士と称する人間から「私も忙しい人間なので後の処理は弁護士である私がやるから、その費用など200万円を振り込んで欲しい」というものであった。そこで私はとにかく息子を出してくれと言ったところ「息子さんは警察にいて錯乱状態で電話に出れない」ということであった。ところがその電話の最中に息子が帰ってきて被害に遭わずに済んだ。自分の場合はまだ判断力があるが、高齢者の場合、真偽の判断がつけにくいのではないかと思う。

2つ目は『悪徳リフォーム』。これは屋根の無料点検などを口実にしつこい勧誘を迫り点検をした後、高額なリフォーム工事を無理やりするという被害である。特に認知症のお年寄りが引っかかりやすい。

3番目に『年金詐欺』。国民年金協会や架空団体の名をかたり、年金対象者に「国民年金を納めていない人には年金が支払われない。もし滞納すれば財産を差し押さえる。」といったり、「国民年金特例により過払い分を返金しないと年金を停止する」といった文章を送りつけ保険料を騙し取る詐欺行為である。

4つ目が『催眠商法』。通称SF商法ともいい、チラシやくじ引き、景品などを使って通行人などを誘い会場に呼び込んだ後、無料で景品を配り安心させ高額な商品を買わせる詐欺商法である。
 ともかく、巧妙な手口で騙し取ったりグループで窃盗団を作り泥棒をしたりなど、老人特に1人暮らしの人や認知症の人たちを狙う犯罪が多いことは、社会構造に問題があるようだ。もっと安全で安心して生活できる社会をつくってほしいものである。
参考文献:防犯泥棒大百科

Drの四方山日記(140)

yomoyama01.jpg

139.jpg 最近の医療ニュースの中で気になることをいっていた。それは糖尿病になると「がん」になる確率が高くなるというもので、国立がんセンター(予防研究部)での追跡調査や厚生労働省研究班の10万人を対象とした疫学調査で分ったものだ。糖尿病歴のある人は男性で1.27倍、女性で1.21倍、「がん」になりやすいという結果内容を発表した。またメタボリックシンドーム(内臓脂肪症候群)も胃がんを起こす確率が高いという。いかにメタボリックシンドームが糖尿病と関わりがあるのかが分った。(糖尿病の60%)

 糖尿病がどんな病気であるかは以前ホームページ上で記述したので、ここでは簡単な説明にとどめる。糖尿病を一口にいうと「血糖値を高くする病気」である。血糖値は血液中にブドウ糖がどのくらいあるのかを表わす数値だ。また糖尿病になると、エネルギーを必要としている細胞の中にブドウ糖が取り込まれなくなって血液の中の濃度が高くなる。それはインスリン(体の中で唯一血糖を下げるホルモン)が不足して、円滑に細胞に作用しなくなってしまうからである。その結果筋肉や内臓のエネルギーが枯渇して、全身のエネルギーが足りなくなってしまう。そのために体の疲れが激しく出てくるのが糖尿病の実体である。もし、糖尿病を放っておくと高血糖のために合併症を起こしてくる場合がある。合併症には網膜症、腎症、神経障害などがある。

 「がん」は自制を失った細胞の増殖で、正常な細胞とは違う遺伝子が働く。その遺伝子の変化が「がん化(腫瘍)」を促進する。もっと簡単にいうと「がん」は細胞の変化によって起こるもので細菌の感染で起こるものではない。したがってお酒の飲みすぎや肥満、運動不足など生活習慣になると将来「がん」になる可能性が高い。もっとくわしく言うと、糖尿病になるとインスリンを始めとするホルモンのバランスが崩れ、異常な細胞の増殖が起こるため「がん」になりやすくなると言える。

 糖尿病にならないためには規則正しい生活を守って、腹八分目の食事、適宜な運動、十分な睡眠を心がけることが大切である。
過去の記事 健康コラム ? 中高年に多いメタボリック症候群

■関連サイト
糖尿病?生活習慣病? - NMNナチュラル・メディスン・ネットワーク

Drの四方山日記(139)

yomoyama01.jpg

138.jpg 朝出掛けにラジオで興味あるニュースを聞いた。それは大手コンビニエンスストアが女性をターゲットにした新しい店舗を開店するというもの。コンビニエンスストアの『サークルKサンクス』は27日、東京・八重洲に店内で調理して食べられる空間を設けた新しいタイプの「フォークトーク」を開店する。この店は20代から30代の働く女性を意識し、ゆでたてのパスタや焼きたてのパンが食べられる「イートイン」コーナーを設置。特に女性客を意識してか内装はベージュやグリーンを基調にし、間接照明を使いジャズやボサノヴァの音楽が流れる。また『ローソン』も女性を対象に考え健康に配慮した食品をそろえる「ナチュラルローソン」を、既に都市部中心に多数出店している。また年内には育児中の女性を対象にした“子育てコンビニ”の出店も計画している。買い物中の母親からお子さんを一時預かるサービスや離乳食の販売などをして広範囲に子育てに協力するという。また『エーエム・ピーエムジャパン』では「ハピリィ」と名付け、高級指向を対象に価格の高い化粧品や下着などを販売している。更に女性専用のトイレも設置されている。
 コンビニといえば、お客は暗い夜道に浮かび上がる明るさを求めて吸い寄せられる蛾のようだと自重しながら私もついドアをくぐる。雑誌、弁当、お菓子から化粧品に至るまで揃え、帰宅途中のオアシスをイメージしている。

では「コンビニエンスストア」の歴史は1969年、大阪・豊中市にマイショップ「マミー」がオープンしたことから始まる。さらに1971年、愛知県春日井市、札幌市にオープンした。しかし、実際の大手コンビニエンスストアが定着したのは、1974年アメリカ・セブンイレブンのサウスランドと日本のイトーヨーカ堂がライセンス契約をして、東京・江東区豊洲に1号店をオープンしたのが始まりである。それがいまや全国に4万店舗がひしめき、生活の中になくてはならない存在になってきた。最初のコンセプトは「若者の店」や「非常時に駆け込む店」、特に男性をターゲットにしていたため、顧客の7割が男性であった。それが今回の女性をターゲットにしたコンビニの登場によって、男女同等に幅広い年齢層に利用していただく時代に合ったコンビニとして定着させたいようである。あるコンビニでは親・子・孫の3世代をターゲットにしたり、地方のように地元の総菜を売ったり、神戸のように病院の横にコンビニをつくり、コンビニ社員も介助法を勉強して社会に役立つものも登場。また、今度新たに大手コンビニが日本郵政公社と組んで、郵便物や弁当などの商品も共同発送をするという。今までの野原の一軒家の店感覚が、いまや「安全」や「ホット」にさせるオアシスとなって成長している。最近のコンビニ業界の飽和状態を抜け出すべく新しい手法が次々と考えられているようだ。

Drの四方山日記(138)

yomoyama01.jpg

137.jpg 今日(26日)、自民党の安倍晋三総裁が戦後、最年少の第90代、57人目の首相に指名される。直ちに組閣に入り今日中に新内閣が発足する。毎回新しい総理大臣が誕生すると決まって論議されるのが、新政権は何を国民のためにしてくれるのかである。また何を期待できるのか?が取り沙汰される。新政権は当然のように課題を出し、国民に公約する。しかし最近の首相は仕事らしい仕事もしないうち退任していく人が多い。ではなぜこうも政治家の言う事が当てにならないのか。一つには政治家らしい政治家いなくなった。以前は吉田茂氏、田中角栄氏、最近では中曽根康弘氏など自分で公約したものに対して信念を持って実行してきた政治家がいたが、ここ数年は他の実力者の顔色を伺って行政を行なっている首相が多いように思える。これは、もちろん私自身の考察ではある。

 さて、戦後生まれの51歳の若くてソフトな顔立ちの新しいリーダーが小泉首相の後を受け継いでどう“行動力”を発揮してくれるか楽しみである。新首相は「全身全霊で美しい日本づくりを」をキャチレーズに掲げて、改革路線を継承しながら安倍イズムを国民に浸透させようとするだろうが、いかに信頼を得ていくかは彼の手腕にかかってくるようだ。既に内閣の重要ポストについては総裁選の論功重視の人材を登用し、重要な閣僚ポストには世代交代を意識した若手を入れる布陣を取っている。今までと違い派閥の意向を無視した人選を行なっていくようだ。

137b.jpg安倍氏といえば必ず出てくるのは「北朝鮮・拉致問題」といわれるくらい今まで熱心に取り組んできた唯一の政治家であるため、意地が上にもこの問題を解決しなければならないだろう。その他には憲法改正、財政再建、教育問題、年金制度、地方分権問題など山積みの課題に挑戦して実行していかなければ歴代の首相と同じ扱いを受けることになる。


 今までの小泉政権が残していった課題に対して真っ向からトライしていくことは並大抵ではないそれができないと短命に終わってしまう。それを考えてか知らないが閣僚担当を大幅に増やし、「再チャレンジ」「イノベーション(技術革新)」などの担当を兼ねさせたり、首相補佐官の増員など官邸機能の強化に努めるようだ。これから民主党との対決に臨むためには万全を期していかないと百戦錬磨の政治家小沢一郎には太刀打ちできない状況に追い込まれる可能性もある。ともかく小泉首相が後ろ向きと指摘された分野に積極的に取り組むことで安倍政権が評価され、これからの国会運営をスムーズに進めることが国民のための政治になれるのではないだろうか。その時こそ新しい国家像による「美しい日本」になれるのである。

Drの四方山日記(137)

yomoyama01.jpg

136.jpg 23日(祝日)、24日(日)私は故郷の富山に行ってきた。母の見舞いと体と心の静養のためだ。空港に到着して、直ぐに叔母の家族と一緒に黒部アルペンルートと立山で有名な立山町に行った。

 今回は時間の関係から日本最大の瀑布として有名な「称名滝」と立山カルデラ砂防博物館を訪れた。先ず、最初に訪れたのは「称名滝」である。この滝は雪水が垂直の灌木帯に落ち、二段目や三段目の滝壺に天から降ってくるような飛沫が上がって足下から奈落の底に吸い込まれていく感覚におそわれた。瀑流は波打ち渦巻き、不思議にきらめく滝壺を目のあたりにして、その美しさに満足感すら覚えた。この滝を訪れる観光客は年間25万人といわれる。ただ私自身は、この8月に南アフリカの世界3大瀑布の1つで世界遺産に登録されているビクトリアのフォールズを訪れて感動した直後だけに、ちょっと規模が違うかなぁという気持ちであったが、しかし確かに凄さにおいてはビクトリアフォールズだが段差を作りながらV字から流れる滝の美しさは何か疲れた心をやすませてくれるものがあった。 次に立山駅の近くにある立山カルデラ砂防博物館を見学した。このカルデラは火山活動と侵食作用によって独特の自然差を持つ日本でも有数のの大規模崩壊地である。過去に幾度となく常願寺川流域を氾濫させて土砂災害をもたらしたといわれる地域で90年前より砂防事業が続けられて富山平野を守った。その歴史的状況が展示され土砂災害の恐ろしさを訪れる人たちに広く知ってもらうため紹介されている。

見学後、富山市に戻る途中“越中おわら風の盆”で全国に知れ渡っている八尾の町に立ち寄った。富山県に住みながらあまり“おわら”を知らないのも不思議がられると思うが、富山県は富山を中心とする東を「呉東地区」、高岡を中心とする「呉西地区」の2つ二つに分れ、呉東は新潟寄り、呉西は金沢寄りで、地方ならどの県でもあるのではないかと思うが、文化や習慣、生活や言葉の一部に若干違いがある。話は八尾のおわらに戻すが、“風の盆”は二百十日の風が吹くと、八尾の町は夜ともなると哀愁を帯びた音色で“おわら踊り”で一色に染まる。土蔵、格子戸の旅篭宿、造り酒屋屋が軒を並べる坂をぼんぼりの明かりを頼りに三味線、胡弓、太鼓の音を奏でて町を夜通し流し続ける祭りである。また毎年5月には曳山祭りが行なわれる。その歴史が観光会館に保存されているので見学を楽しんだり、坂の町を散策したりした。

 夕方に富山郊外にある温泉でゆっくり体を休め、翌日母のいる病院を見舞って夜の便で東京に戻った。富山県人であるが故生まれ故郷を知ることは大切であると改めて知った旅であった。
136b.jpg

Drの四方山日記(136)

yomoyama01.jpg

135.jpg 長年国民の問題になっていた「国旗掲揚・国歌斉唱」について司法(東京高等地方裁判所)の判決が出たと報道各社が報じた。マスコミの各社は“思想や価値観”の違いから表現・定義付けにそれぞれ相違があり、この問題は根が深く善悪というレベルでは解決が付かないとしている。
20?30代、40?50代、60歳以上と年齢層によっても考え方がおおいに違ってくるのではないかと思える。

 では、なぜこうも「日の丸・君が代」問題が論議されるのか。それはこの問題が国家としてきちんと法律に明記されていないところにある。例えばアメリカの国旗は国旗法として明文化され、祝日は「旗の日」として国民に広く知れわたっている。国家についても法律に如何なるものか明記されている。イギリスの国旗は詔勅で、国歌は慣習である、ロシアの国旗・国歌はともに大統領令で規定されている。中国の国旗は憲法で明記され、国歌は全国人民代表大会で決定されている。隣の韓国の国旗は大極旗で正式な国歌はないが、「愛国歌」が国歌の代わりをしている。一方わが国の国旗は明治30年の大政官(政府の最高官庁)布告の「商船規則」に基づいて寸方と様式を決めただけで、国歌も明治26年文部省告示に準拠して証していて法制化はされていない。いわゆる慣習のままである。このような曖昧のまま今日に至っているのが現状であるようだ。

 戦前までは日本には道徳や修身が教育の中にあり自国に対する「愛国心」、「祖国愛」が育まれた。しかし現在の小・中学校の教育にはあまり組み入れていないようで自国に対する愛国精神が薄れてきているように私は思う。

 今回の東京都の教育委員会に対する判決ではあるが、もっと全国でこの問題に対して教育者や関係機関だけでなく広く一般者を入れて論じていれば君が代に過敏になる教育者の“君が代神経症”や以前広島で起こったある高校の校長の自殺も未然に防げたのではないだろうか。東京都が国に、国が東京都に責任のなすりつけあいをするのではなく、お互いが歩み寄ってこの重要な問題に取り組んで欲しいものである。日本国民であれば誰しも「愛国心」があるはずである。もし「憂国の情」がなければこの国から出て他の国に行けばいい。国も責任を持って「国旗・国歌」を法制化するように、国として威厳をもって臨んで欲しいものである。そうすれば国や都道府県が教育委員会を通じて学校に押し付けた儀式を遂行しなくても、本当に小・中学生が喜び素晴らしい思い出の学生生活に感謝するのではないかと思うのは私だけだろうか。司法の手を借りず国が責任を持って解決してくれることを期待したい。

過去の記事 Drの四方山日記(40)? 「愛国心」という言葉がもたらす波紋

Drの四方山日記(135)

yomoyama01.jpg

134.gif 20日自民党新総裁に安倍晋三官房長官が選ばれた。26日の首相指名では内閣総理大臣になることが確実になった。安倍新政権ではアジアの政治・経済においては今までの中国からインド重視に変える考えを述べている。それはインド経済の急激な経済成長にあるようだ。

何しろ日本の国土の9倍の面積を有し、人口も現在中国(13億人)に次いで第2位(10億人)であり、2050年には中国を抜いて16億人になると予測(アメリカ商務省の発表)されている。

 なぜこうもインドが世界で注目されるようになったのか。それは10億人を超える人口を有する世界最大の民主国家であり、近年7?8%と高い経済成長を遂げ急激な勢いで経済を発展させているところにある。そのベースにはIT産業の急成長が大きな要素となっている。紀元前7世紀よりこの国民は理数系が強く、特に数学の頭脳は世界でもダントツで日本をも凌ぐものがある。暗算の九九においては日本の2桁に対し、インドでは3桁以上でも計算するという。かの有名なアインシュタインはインドのことを「この世の中に数字を数えてくれたインドがあるから今日の世界の成長がある」と証したという。

ここ数年、日本からも閣僚や経済界も頻繁にインドを訪れている。コンピュータ及び輸出産業を母体とした金融業界に対する投資家などの目まぐるしい活躍や、ここ近年の製造業の大きな発展が我が国にも影響をもたらすことは間違いないようだ。これらは将来我が国の産業界にとっても魅力的な市場になっていくものと考えられている。経済産業省も日本とインド間の貿易・投資関係を強固にするため共同研究会を開き、密接な関係を続けている。

両国間の関係の重点は、まず中国に対しての戦略的な安全保障の協力関係、特に経済面についてである。2番目に投資と貿易、3番目に精神性の深さ、そして最後にグローバルパートナーとしてである。特に現在のナラヤナン大統領はインドでも下級層の出身であったが、インドの民主主義が根付いていたため大統領になれたという。これらを母体としたインドは将来急激な発展を遂げていくだろう。

ただ、インドにも弱点がある。1つは格差社会である。中国同様一部の都市の大発展から経済が急成長したと同時に、インドも貧富の差が激しく平均的生活水準がなかなか線引きできないでいる。IT産業の急成長に隠れて農業大国でありながら収穫が思うように進んでいない。また、軍事力の発展強化が経済を締め付けているという一面がある。果たしてこれからインドはどの方向に進むのであろうか。機会があったらぜひ私もこの国を訪れたい。

過去の記事 世相シリーズ ? 増え続ける人口

Drの四方山日記(134)

yomoyama01.jpg

133.jpg シンクロナイズド・スイミングのワールドカップ2006が横浜国際プールで行なわれた。今回も予想通りロシアが全4種目制覇して優勝を飾ったのをテレビで見た。


 今大会の見所は日本とスペインの2位争いであった。日本はこれまでオリンピック、世界選手権、W杯の3大大会で、97年以来の銀メダルを守った。大会前までは2位日本は間違いないといわれた。しかし昨年の世界選手権で銅メダルに甘んじたスペインが予想以上に技術を磨いてきて今や日本をも脅かす存在になってきた。その急速に実力を伸ばしてきた理由は、指導する日本人コーチ藤木麻祐子にある。今までのダイナミックさだけで試合に臨んできたスペインが、日本人コーチが入ることによって細かい技術にも対応できるようになってきたのが実力アップにつながったようだ。何しろスペイン人は性格が明るい、その上厳しい練習にも耐えうる力を持っている人種のようだ。彼女たちの目標は日本ではなく本当はロシアにある。

 最終日前のデュエットではスペインのエースであるエマ・メングアルが素晴らしい表現力で芸術点をたたき出し日本に勝った。その勢いに乗ってチームでも互角以上の力を持ってきてTR(テクニカルルーチン)で戦った。当初、日本の「まずTRでリード」の思惑ははずれ全く同点で並ばれた。勝負はスペインが得意とするFR(フリールーチン)に持ち込まれた。そこで日本は相手の藤木コーチの裏をかいて有力選手をはずしチームワークを重要視した戦法で臨んだ。これは前日行なわれたデュエットでスペインが取った方法である。なぜなら日本のTRでの苦戦はあまりにも張り詰めた緊張感による呼吸の乱れが原因だったからである。普段冷静な日本のエース原田早穂までもが倒立技でミスをおかす失態を演じた。そこでスペインが得意とするFRでエースの1人である鈴木絵美子を中心に演技を組み立てて最後の演技に臨んだ。1人が出先で足を滑らせミスをしたが、演技に入ってからスペインのおかぶを奪う素晴らしい高度なテクニックで先に演技を終えたスペインを抜いて劇的な2位となった。その時のスペインの藤木コーチは天を仰いで残念がった。どんなスポーツにしろ日本の良さは細かい技術や演技を身上としている。これをうまく指導した相手の藤木コーチに拍手を送りたい。

 来年のW杯、そして2年後の北京オリンピックに向けてスペインがますます日本の強敵になることは間違いないだろう。

Drの四方山日記(133)

yomoyama01.jpg
132.jpg 大相撲も佳境に入り毎日熱戦が続いている。8日目に2つの不祥事が起こった。1つは大関琴欧州が黒海戦で勝負判定に不満げな態度を取り花道奥の通路で暴言を吐いた。もう1つは現役最古参力士である琴冠佑(40歳)が取組み後に対戦相手で19歳の勢にタオルを巻いた拳で殴った問題である。この2つの不祥事の張本人は同じ佐渡ヶ嶽部屋の力士である。

 佐渡ヶ嶽部屋は200年以上の歴史を持つ由緒ある部屋で、前の親方は元横綱琴桜で大相撲No.3の地位にあった。この部屋からは大関琴風、関脇琴錦、関脇琴ヶ梅など有力力士が多数出ており、現役でも大関琴欧州、関脇琴光喜など優秀な力士を育てている。昨年より新しく琴ノ若(元関脇)が師匠となり現在の部屋を引き継いでいる。

 その名門佐渡ヶ嶽部屋の2人が問題を起こしたのはやはり相撲界の現状を端的に物語っているように思う。先場所もロシア出身の露鵬がカメラマンに暴行して3日間の出場停止処分になったばかりである。なぜこうも不祥事が相次ぐのか。その一つとして考えられるのは伝統ある日本の国技大相撲に習慣やマナーの違う外国人力士が多数入ってきたためではないだろうか。ましてや最高位がモンゴル出身の横綱朝青龍では、日本人の我々には現在ある大相撲の変化はなかなか理解しがたいものがある。

 日本の相撲の歴史は古く『古事記』の中で神同士が力比べをしたのが起源といわれ、『日本書紀』によると第10代垂仁天皇の前で日本一を争った天覧相撲が最初だといわれている。その後織田信長が毎年力士を大勢を集めて上覧相撲を取らせ、勝者に対して「弓」を与えた。これが弓取り式の始まりといわれている。また、この頃に力士は四股名を与えられ行司も登場した。その後江戸時代には勧進相撲となり庶民の楽しみとして発展していった。江戸後期には今の日本相撲協会の前身である相撲会所が設立され年寄りや相撲部屋が誕生した。昭和に入り職業的相撲興行として取り仕切られるようになり、戦後テレビ中継、平成になって世界に向けての衛生中継として発展していった。この長大な歴史のある大相撲は特定の時代に留まることなく進化し続けている。

 この由緒ある相撲界も外国人力士の入門で伝統としていた体質が変わり、本来持つ大相撲としての威厳がなくなり、今やプロスポーツとしての感すらある。ここらあたりで古い体質を変えるか、スポーツとして新しく出直すかしないと時代に取り残された大相撲として国民にそっぽ向けられそうである。もっと大相撲の醍醐味を日本人力士が見せて欲しいものである。
参考資料:呆留虎の部屋・相撲の歴史

■関連サイト
・日本相撲協会公式サイト - http://www.sumo.or.jp/
・呆留虎の部屋 - 相撲の歴史

Drの四方山日記(132)

K02.jpg 最近乳児期から幼児期にかけて多く現れるものとして、発達の「遅れ」や「歪み」があります。発達とは時間経過に伴う運動機能や精神機能の成熟へのプロセスをさします。但し身体的な体重や身長の増加をなす成長とは区別します。年齢に応じた運動機能や精神機能が十分に進んでない場合を「発達の遅れ」といいます。


 全ての子供たちはいろいろな個性や可能性を持って生まれてきます。それらの成長過程で起こってくるのが発育障害です。広くいうと、脳の機能的問題が原因で生じて来ます。例えば軽度の知的障害者に当て嵌められることが多いと世間では言われています。精神的発達の遅滞、自閉症、ダウン症、注意欠陥・多動性障害などがあります。大多数は先天的で生物学的要因による障害であるとされています。それは日常の中から見つけることができます。首のすわり、おすわり、伝い歩き、一人歩き、三輪車をこぐなどの運動機能や、人や物に対する反応が極端に劣っていると感じた場合が最初の兆候です。子供の異常は両親、特にお母さんがいち早く気がつく場合が多い。

 発達障害の主なものとしては?知的障害(知的機能の問題)?広汎性発達障害(自閉症・アスベルガー症候群など)?学習障害(LD)?注意欠陥・多動性障害(ADHDがあります。

知的障害…大脳の中心的な働きである知的知能(思考力、記憶力、言語能力)の発達のバランスがうまく取れない場合をいいいます。ダウン症など染色体異常によるものもありますが、多くはその原因が特定できません。通常人口の2?3%がこれに該当します。

広汎性発達障害…社会性の障害で、コミュニケーションの障害をも持つものえおいいます。こだわり行動、自閉症などが代表的なものです。またコミュニケーションの障害があっても言葉の発達が遅れなかった場合はアスベルガー症候群といいます。

学習障害…認知能力や運動機能は正常で精神遅滞や情緒障害がないにもかかわらず、読み書き、計算などの基本的な学習能力が劣るものをいいます。

注意欠陥・多動性障害…注意集中が難しく、多動・落ち着きがない・衝動的で思いついたら直ぐに行動に移します。

 発育障害児・(者)に対し正しい知識の啓発や健全な療育、幸せな社会生活を家族や周りが気にかけ指導することによって日常の生活を維持することができます。現在NPO法人としてアスペ・エルデ会などの組織が障害児の架け橋となって活動しています。
 まず、日常生活の中で子供の異常を感じたら、本当に遅れがあるか検査してもらうことが必要です。軽い遅れや筋緊張低下などは、経過次第で十分正常化するので希望を捨てないことです。
参考文献:講談社『マイドクター 家庭医学大事典』 医学書院『今日の治療指針2006』

健康コラム

yomoyama01.jpg

131.jpg このところの飲酒運転による悲惨な事故が多発している。確かに改正道路交通法施行後には一時的に飲酒運転は減少したが、今年に入って徐々に増加傾向にある。特に今年は人身事故による死亡が多く、警察庁も本格的な飲酒運転取締り週間を定め、全国警察で取締りなどを実施している。

 その強化に対し運転者も危機を募らせたせいか、飲酒運転の取締りの際に警察の呼気検知を拒否する者も多く、2006年に罰則が強化されて以降、道路交通法違反の飲酒検知拒否容疑で検挙されるケースが毎年500件近く増えているという。では、なぜ検知拒否を行なうのか。それは検知拒否の罰則は罰金刑だけで終わるからだ。一方、酒気帯び運転は1年以下の懲役か30万円以下の罰金になるという。更に酒酔い運転の罰則は厳しく、検知によって酒酔い運転が発覚した場合の罰則は3年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。それが検査拒否は5万円以下の罰金で済んでしまう。しかし、弁護士によると実際には拒否した場合、担当警察官が警察庁を通じて令状を取れば即逮捕にもなりかねないと警告している。警察の方で手続きを面倒がって令状を取らない場合は探知拒否でも可能になってくるという。

 問題は運転手のモラルによると思う。血液1mlあたり0.3mgのアルコールで正常に運転できない恐れがある。または呼気1リットルあたり0.15mg以上のアルコールが検出された場合を酒気帯び運転という。アルコールを大量に摂取すると中枢神経抑制作用、血圧低下などの循環器異常、消化不良や胃粘膜障害などの消化器の異常を起こす。また理性や判断を司るといわれている大脳皮質が麻痺を起こし、情動を司る部分が亢奮するため「酔っ払い」特有の行動が現れる。また更に酒量が増えると知覚や運動障害を司る部分が抑制され、運動能力や知覚が麻痺してくる。

 確かに今年に入って、酒気帯び運転によって幼児が亡くなるという悲惨な事故が多発しているのも事実である。行政も事故が多発した時だけ取り締まるのではなく、普段からきちんと飲酒に対する取締りをしてくれればこれだけ大事には至らないのではないか。警察の対応一つに掛かっていると思う。

■関連サイト
・警視庁 - アルコールが運転に及ぼす影響

Drの四方山日記(131)

yomoyama01.jpg

130.jpg つい最近まで未婚で子供のいない女性の問題ばかりがマスコミを賑わしてきたが、なぜ今、男性の未婚が騒がれるのか・・・!? 
ある作家の本によると男性未婚率は90年代から増え続け30歳後半で25%、前半にいたっては50%だという。特に、都市部になるともっと高いようだ。このままでいくと2050年には50歳の男性未婚率は30%になるという累計が出ている。

 テレビでも「結婚できない男」(阿部寛主演)というタイトルで放映し、高視聴率を上げている。私も興味本位で毎週楽しみに見ている。主人公の信介を演じている阿部寛さん自身も未婚であり、まさにはまり役である。最初のタイトルが、「独身貴族」「結婚しない男」の予定であったが、彼の案で「結婚できない男」に決まったらしい。その理由が一般的でかわいい感じがする。「しない男」だと型にはまったようで冷たい感じになるということから決まったらしい。女性の場合出産があるため、年齢を考えると焦りがあるようだが、男の場合は50代でも60代でも結婚できるという意識があるらしい。

 この道の専門家によると今の未婚の男の特徴は“何となく結婚しない”というものと、“自分の幸せしか考えない身勝手なもの”“他人を思いやる感じがない”また“人を幸福にするという考えがない”というもがあるらしい。この考え方が起こったのは青春時代をバブル期に送った人たちと仕事に恵まれ高値の趣味や快適な暮らしが確立された結果、煩わし生活を送りたくないというものや逆に低収入のため結婚生活を物理的に送ることが難しいというものもある。ともかく結婚して家族の責任を持つことに対し魅力を感じなくなってきているのも事実である。それは男たちは主導権を握りたがらないせいかもしれない。

 神様はこの世に男と女をおつくりになった。それを結びつけ夫婦にする、というのは一般的な社会である。世の中成熟にともない晩婚化が進み、独身者が多くなった。一昔前なら40歳近くで独身だと世間から変な目で見られていた。それが、最近ではごく普通になってきた。結婚観も時代の移り変わりに伴い変わるものだなあとつくづく感じる。確かに少子化や女性の職場進出などで男にとっても結婚するチャンスが少なくなったことは否めない。仕事や趣味に一生懸命生きるだけではなく、家庭という温かい生活もまたいいものである。
参考資料:毎日新聞

■関連サイト
・関西テレビ放送「結婚できない男」 - あなたのそばにいる“結婚できない男”BBS

Drの四方山日記(130)

yomoyama01.jpg

129.jpg 米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手が12日(日本時間13日)ヤンキーススタジアムに戻ってきた。デビルレイズ戦に8番指名打者として先発出場し、1回の初打席でいきなり中前適時打をうち再出発を飾った。その後の3打席でもヒットを打ち続け、終わってみれば安打の「猛打賞」をマークした。やはり並みの選手ではないことを証明した。

 試合前松井選手は「真っ白な気持ちで打席に立って、自分がどうなるのか楽しみである。グランドに立つ以上、調子がいいとか悪いとかいえない」と言って試合に臨んだという。確かに彼は日本ではホームランバッターであった。しかし米大リーグに移ってから、状況を把握して確実に走者を返すチームプレーに徹すること最重要視した。それが米リーグの中で残られる唯一の方法であったからである。ヤンキースのオーナーは理解してくれていないが、トーリ監督は松井の人間性や選手としての品格を買ってくれているので、いつも変わらぬ姿勢で野球に臨めるのである。

 チームは現在2位に10ゲーム引き離して独走態勢にいる。しかしこれからのプレーオフ進出には松井選手の復活はヤンキースにとっても力強い限りである。また彼自身も日米通算2000本安打に30本と迫っている。今回の大ケガ(骨折)が彼にとってはこれからの野球人生をどう変えて成長させていくか楽しみである。確かにスポーツ選手にとって怪我は致命傷となり得る。しかし怪我を恐れていてはいいプレーができない。ましてや松井やイチローのような超一流の野球選手にとっては本人のみならずチームにとっては大打撃であることには違いない。休んでいる間、本人にとってはおそらく平常心ではおられなかったと想像できる。何しろ高校野球から今回怪我する現在まで休むことなく、プレーしてきただけにかなり不安もあったと思う。しかし彼は休んでいるときも自分が野球に臨む姿勢は崩さなかった。トーリ監督はそれを察し、あえて松井が万全な状態でないと出場させなかったのは彼に今後、野球人として長く活躍して輝かし成績を残して欲しいと思う親心ではないかと私は察して取れる。

みんなが待ちに待った彼の復帰はこれからのストーブリーグを楽しくさせてくれることは間違いないようである。

Drの四方山日記(129)

yomoyama01.jpg

128.jpg 10日(日曜日)午後1時スタッフ3人を引き連れてNPO法人統合医療塾に出講した。この日は午前と午後の2つの講義が行なわれた。私は午後の講義を担当し、『カイロプラクティックの歴史と現状』について講話した。
この医療塾は医療の現場で働く医師(Doctor of Medicine)・歯科医師(Doctor of Dentist)のグループで構成されている。今までの先端医療技術だけでなく、伝統医学やハーブ、東洋医学などの代替医療を勉強し理想的な医療を目指す目的で運営されている。

 「統合医療」とは、西洋医学に対し相補・代替医療として総合した医療である。西洋医学についてはすでに説明するまでもないが、相補・代替医療(Complementary and Alternative Medicine)は現代の西洋医学以外の医療の総称で、中国やインドなどの伝統的な東洋医学から、ハーブ、鍼灸、カイロプラクティック、瞑想、音楽、漢方薬、温俗療法など、ありとあらゆる医療行為のことを指す。

 近代(西洋)医学が頂点に達したことによって発生する医療の問題、20世紀後半からの環境問題、文明社会の行きづまり、個人重視の時代といった要素が重なり合った現在だからこそ「相補・代替医療」を取り入れた「統合医療」が必要になってきたのではないか。
今までの西洋医学一辺倒から、西洋医学と「相補・代替医療」が融合した医療の必要性が世界中で叫ばれだし、今やアメリカでは西洋医学による医療は全体の50%を割ろうとしている。ヨーロッパでも6:4になり、世界的にも「相補・代替医療」が国民に認められ、医療の中枢に位置しようとしている。

患者さんの体の反応が全て違うように、いろいろな治療に対しもそれぞれ違う反応があるということを念頭に置いて、患者さん1人ひとりに最も適した医療で治療できるシステムを作ることこそこれからの日本には必要ではないかと思う。その意味からも「統合医療」こそ“理想の医療”といえる。患者さんが心より安心して受診できる医療を提供できることを望んでやまない。
参考文献:「自分を守る患者学」渥美和彦著 PHP研究所刊

■関連サイト
・特定非営利活動法人統合医療塾 - http://www.togoiryojuku.com/
・日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT) - http://www.jact.jp/

Drの四方山日記(128)

yomoyama01.jpg

127.jpg 土曜日(9日)午後より以前通院されていた患者さんの結婚式に出席した。仕事柄いろいろな方の結婚式に出席させていただいているが、今回の結婚披露宴は今までにないタイプのもので驚いた。
会場は以前紹介したDr.の四方山日記(48)の八王子にある豆腐屋だった。


 先ず、古式豊かに新婦は綿帽子の花嫁姿、新郎は羽織袴で案内人の提灯を先導に花嫁道中をして、料理屋の長のれんをくぐって2階の大広間で招待客の待つ披露宴会場に入った。式はこれまた洋風でシビルウェディング(Civil Wedding Ceremony)という全く新しいスタイルで行なわれた。シビルウェディングとは法律上の婚姻手続きのセレモニーで欧米の市民結婚式として、既にに世界各国で行なわれている。儀式としては重厚さや品格を重んじ、招待客を立会人とするものであるそれも牧師さんではなくミニスター(司式者)のみ執り行うことが許されているスタイルである。

 セレモニーのあと披露宴が始まり、日本古来の方式で宴が進んだ。ケーキの変わりに豆腐屋なので、豆腐ににがりを入れ2人で掻き混ぜるというユニークな方法がとられた。
余興もキーボード演奏に始まり、琴・太鼓・尺八の生演奏で宴は最高に達した。
 今回のように日本の心である和と洋の華麗さをうまくミックスした素晴らしい結婚式は私にとっても初めてである。 2人の手作りの企画と心のこもったもてなしに改めて感激し感謝した。病気を克服してこの幸せをつかんだ患者さんをこれからも応援していきたいと思う。127b.jpg
Drの四方山日記(127)

yomoyama01.jpg

126.jpg 最近のニュースでほのぼのとした話題を見つけた。それは東京・上野動物園でツキノワグマを人工的に冬眠(冬ごもり)させ展示するという。これは世界的にも例のない試みである。

 本来、ツキノワグマは本州に生息し、胸に白い三日月模様を持っていることからこの名が付けられた。通常ツキノワグマが住む環境は落葉広葉樹林が最適といわれている。それは1年を通じて供給できる食べ物(山葡萄、木苺、ミズナラなど)があり、秋の冬眠時にはどんぐりなどの堅果類の実を大量に食べられるからである。種類に関わらずクマは冬眠するが、ホッキョクグマだけは例外である。ただし、ホッキョクグマでも妊娠したメスは冬眠するという。

他の動物ではシマリスやコウモリなども冬眠をするが、クマと違いこれらは冬眠中に蓄えた食物を口にしたり水分を食べたりし、排泄も行なう。
 さて、今回試みるツキノワグマの人工的冬眠は室温を徐々に下げ餌も減らして本来の冬眠の姿に近づけるものであるが、問題は果たして眠ってくれるかである。冬眠前にはクマが好きな栗やどんぐりをふんだんに与えて脂肪を蓄えさせて太らせる。また、自然界の太陽光に合わせて明るさもうまく調節するという。通常クマが冬眠に入る11月後半頃には水だけしか摂取させない。その時はのぞき窓だけ設けて真っ暗な小さな部屋で来年の4月頃まで冬眠させる。ただ、衰弱や餓死の心配があるので、睡眠中の体温や呼吸、心拍数をチェックする予定ではあるが、クマはわずかな音や刺激でも目が覚めるのでどうしたらいいか検討中だそうだ。動物園では来場者に見せるためカメラのフラッシュ、振動、騒音が睡眠の妨げにならないよう、二重の防音ガラスを用いたりするという。クマの冬眠は母グマにとっては胎児を成長させる重要な期間なので、うまく冬眠しないと未熟児が生まれたり死んだりするという。過去に東北の動物園で冬期閉園中自然の中でクマを冬眠させた例はあるが、今回のように人工的に行なうのは初めてである。それも展示しながらやるのは画期的なことである。

 ここ数年、私の郷里富山県でもツキノワグマが民家の近くに出没し、畑の作物を食べつくしたり人間を襲ったりして問題になっている。今回の実験に使う2頭のうち補欠候補の4ヶ月のオス「タロウ」は、私の郷里で親が猟銃で撃たれて保護された小グマである。ともかく動物は近年動物本来の生態からかけ離れているように思うので、もっと自然界に近づけようとする今回の冬眠実験は、ある意味素晴らしい試みである。私はこの夏アフリカに行ってきたが、アフリカでは動物に対して保護区を設け自然界の中で野生として育てようとしている。人間もあまりにも人工化しすぎたため、野生の力を失っている。もっと自然的な見方をするのも大切ではないか。今回の実験はその意味では人間に何かを提言しているように思う。

Drの四方山日記(126)

yomoyama01.jpg

125.jpg 久しぶりに会った私の医療仲間の一人が私のホームページを見たらしく「中島先生は毎日歩いてるんですか?」と尋ねてきた。
「うん、毎晩11時から12時の間ウォーキングしてますよ」と答えた。
すると「疲れませんか?」と言われたので「慣れたのでそんなに感じないけど、時々歩き方によっては筋肉が張ってきたりしますね」と何気なく返答した。

 最近ウォーキングが人気のようだが、「始めたけど筋肉が張ってきたり痛くなったり、また長時間歩くとどうも疲れるという人が意外と多いんですよ」と私に教えてくれた。その友人は何年か前から『スキルウォーク』を指導しているらしい。

 『スキルウォーク』とは1996年、日本陸連冬期スペイン強化合宿の際、モスクワ・オリンピック50km競歩の銀メダリストであったジョルディー・リョパルト氏から教えを受けたトレーニング法が『スキルウォーク』の始まりである。具体的には『スキルウォーク』とはどんな方法なのか。ウォーキングの動作の中に腕を回して、体幹部をねじりながら歩く独特の動作を取り入れたエクササイズである。一般的なウォーキングと違い酸素消費量が多く短時間でも十分効果が実感でき、年齢や体力に関係なく適度に運動能力を高めることができるらしい。この方法は、競歩選手が早くしかも疲れにくい歩き方を身に付けるために行なわれたドリルが基本になったらしい。

 確かに毎日歩いていて私なりに歩き方の基本を勉強したつもりだが、日によってももが張ったり腰が重くなったり靴がきつくなったりすることがある。今回の友人のアドバイスは毎日やっている私には非常に勉強になった。元々ウォーキングは体の柔軟性を高めたりバランスを取ったりすることが基本にある。肩こりや腰の筋肉の張りや疲れ、関節の痛みの解消、また便通にも非常に効果がありストレス解消には抜群な効果を表す。そこで競歩の専門家が薦める『スキルウォーク』は最適なようだ。近々友人たちが主催する『スキルウォーク』の講習会に出てみようと思う。(詳しくは下記参照)

 きれいな歩き方、正しい歩き方、効率の良い歩き方は体にとっても有効で最適である。また肥満を気にする人にとっても非常にいいようだ。是非お勧めします。
参考文献:日本スキルウォーク協会出版『スキルウォーク』

『スキルウォーク』講習会
10月15日(日)AM10:00?12:00
梅ヶ丘パークホール(東京・小田急線「梅ヶ丘駅」徒歩1分)
スキルウォーク協会認定講師による指導
参加費2,000円
主催:NPO法人日本スポーツチャリティー協会
詳細は「祐気堂」御木氏 メールアドレス:youendjp@yahoo.co.jp
日本スキルウォーク協会

Drの四方山日記(125)

yomoyama01.jpg

W4.jpg 6日早朝、愛育病院で紀子さまが男児をご出産された。特に皇室にとって男子が生まれるのは秋篠宮様以来41年ぶりで、皇位継承資格の誕生で国中が喜んだ。宮内庁の発表によると2580gの健康な男児であったという。今回のお産に際して紀子さまが「前置胎盤(胎盤の一部または大部分が子宮下部に付着し内子宮口を覆う)」で出産には非常に重い状態だったので、通常40週で9月下旬出産予定だったが母体への影響を考え20日ほど早い37週で帝王切開になったようだ。


 今回の朗報もテレビなどを通じ全国に流された。特にご出産は国民的慶事であり、皇位継承問題に直結するだけに重大ニュースとして国民に伝えられた。その意味からも今回のご出産の社会的意義は大きい。

 紀子さまのご両親も宮内庁を通じお祝いの言葉を送られている。その中に『清流に臨みて詩を賦す』とある。これは古代中国の詩人の「帰去来辞」の一説で晴れ晴れと澄み切った心を表現しているという。

 紀子さまのご出産は大きな意義があり、その一つが「臍帯血移植(新生児の“へその緒”や胎児から造血幹細胞を多く含む血液を取り出して移植に使う方法)」を申し出られた。また、今回のご出産の経済効果も甚大で、某経済研究所のトータル目算では経済効果が1,550億円規模だといわれている。ブライダル関連や出版業界、放送業界、サービス業(百貨店など)への波及効果は大きく消費拡大にもつながり国も潤う、また勇気を持って出産する女性も増えてくる可能性も出てくる。何はともあれ国民にとっては久方ぶりの明るいニュースであったことに変わりはない。健やかに成長されることを国民の誰しもが願ってやまない。

話題シリーズ(4)

yomoyama01.jpg

124.jpg 日本で根強い人気のウルトラマンが、今度青森県立美術館の案内板として登場する。このデザインはウルトラマンの生みの親でもある青森県出身の美術家(現代日本を代表する美術家11人の1人)が製作したものである。

 ウルトラマンは1966年(昭和41年)7月10日、当時世界最先端の特殊撮影技術をもった円谷プロダクションが生み出したもので、世界初の巨大ヒーローとしてテレビに登場した。
そこに出てくる怪獣もブームになり、国民的ヒーローとしてもてはやされた。その作品は39本にのぼるという。

 私も当時は高校生で、よく近所の子供たちがウルトラマンのお面や手袋などをつけて遊んでいたのをいまだに覚えている。最近でも再放送され高い視聴率を記録しているようだ。
 ウルトラマンといえば私の住む東京・祖師谷大蔵にある商店街も「ウルトラマン商店街」と名付けられ、各街灯にウルトラマンをモチーフにした旗が掲げられている。11年前にこの地に引っ越して来た時は普通の商店街だったが、昨年4月「ウルトラマン商店街」として新しく再出発した。なぜここがウルトラマンなのかと不思議に思っていたら、商店街の人から「ウルトラマンを製作している円谷プロダクションの本社が商店街のはずれにあり、また社長の自宅が商店街内にあるため、『勇気と正義のヒーロー!ウルトラマン』を合言葉に、住みやすく賑わいのある地域づくりを目指して名付けられた」と聞いた。駅を出てすぐ右側の広場に地球儀の上に乗っかったウルトラマン像があり、また成城に近い商店街の入り口にはウルトラマンが空を飛んでいる像がある。私は毎日1時間のこの2つの像を横目に見ながらウォーキングに励んでいる。最初はウルトラマンが飛んでいることは知らなかった。ただ、街ゆく人がみんな上を見上げるので、何かと思って見上げたらウルトラマンだったのでビックリしたのを覚えている。

 確かにウルトラマンに関わらず、仮面ライダー、サザエさんなどのテレビのヒーローやヒロイン、またマンガのドラえもんなどのキャラクターが最近もてはやされ、全国で名称が使われたり像が建立されたりして、地元の人のみならず訪れる人々を楽しませている。

■関連サイト
・円谷プロダクション公式Webサイト - http://m-78.jp/

Drの四方山日記(124)

yomoyama01.jpg

123.jpg 最近、内閣府は、企業が仕事と育児の両立支援にどう対応しているかについてのアンケートの結果をまとめた。それによると、子供の看護のために休暇を取れる企業は72.1%だったという。そのうちパート社員など非正社員までを対象としている企業は48%にとどまった。確実に正社員と非正社員での待遇の違いが目立った。内容としては出産祝いなど子供への一時金を支給している企業は61%、そのうち非社員までを対象としているのは24%だった。おもしろいのは、短時間勤務は53.9%の企業で導入されているが、正社員が利用できるのは35.5%であった。会社や事業所内に託児所を設けているのは7.5%に過ぎなかった。その他として、育児休業制度を導入しているところが81.4%、そしてその制度を持っている企業のうち、男性が取得できるケースは5.8%、女性は81.5%だった。休業中は40%が雇用保険から支給されるという。ただ、労働基準監督所が企業に行なっている指導によると、休業修得などを理由とする解雇や不利益については禁止されている。また6歳未満の子供が病気になった場合の看護休暇も年5日までという。

 我が国の子育て支援についてはいろいろ面で改善されてきたが、一つ注目するのは児童扶養手当が2008年度から減額されるという。特に低所得者の母子家庭に対し、国が経済的支援から自立支援に変わり減額されるという。今その減額率に対し配慮するよう署名活動が行なわれている。

 長崎県では、子育てに対しユニークなことを行なっている。それは支援タクシーである。市内のタクシー会社10社でつくるタクシー協会は、親に代わって病院や塾に子供を送迎する「子育て支援タクシー」を始めた。これは共稼ぎの家庭やいざという時の手助けに大いに役立つという。これもタクシー業界の創意があったればこそである。もう1つ、滋賀県では子育て総合支援センターという施設が作られ、子供たちが自由に遊び、親同士が交流を深める場として活用されるという。その他、全国あちこちで子育て支援がなされているという。

 昔は結婚すると女性は家庭に入り子育てに専念した。しかし、最近の若夫婦たちは夫の給料では賄えないのでほとんどの人たちは共稼ぎである。そのため会社と家庭、特に子供の育児を共有しないとやっていけないのが現状である。夫婦で協力し子育てに向かっていかないと家庭破壊につながっていく。夫が子育てに参加することで、妻の有難みがわかり尊敬の念を持って初めて円満な家庭が作られるのではないだろうか。この子育て支援を国がしっかりやらないと、結婚しない女性がますます増えてくるのは間違いない。子孫繁栄のためにも頑張って欲しいものである。

Drの四方山日記(123)

yomoyama01.jpg

122.jpg 昨日は、以前より興味を持っていた『驚異の地下帝国「始皇帝と彩色兵馬俑展」』が江戸東京博物館で開催されていたので見学に行った。兵馬俑と地下帝国は、中国最初の皇帝・秦始皇が「永遠の命」を守護するため、地下に巨大な宮殿を戦国時代(紀元前403年前?221年)の覇者として君臨した時につくり、後の中国に影響を与えたものだ。
 特に今回は剥落(剥げ落ちる)の危険から中国国内でも常設公開していない彩色兵馬俑(跪射俑)が初公開されるという情報から多くの見学者が詰めかけ、長い列をつくった。

 今回の特別展には始皇帝の他項羽、劉邦、呂后、文景の治の時代から武帝の時代までを中国の壮大なる歴史として展示している。また会場には大画面を使ったバーチャルシアターで兵馬俑坑の様子を、CGを駆使して彩色兵馬俑の鮮やかな彩色まで復元して上映していたのには感激した。中国の歴史はとても深くなかなか覚えきれない。特にこの時代の司馬遷の著した史記は中国最初の歴史全体を痛感した総合的史書で、全130巻にのぼっているといわれている。我が国でも中学・高校の漢文や世界史でも紹介されているので、ご存知の方もいると思う。

122b.jpg  秦の始皇帝は暴君中の暴君であったが、大きな事業として万里の長城の建設や地下帝国として巨大な始皇帝陵の造営を行なった。そのため財政に負担を掛け、民衆からは尊敬されなかったようである。しかし、最近になって始皇帝はそれまでの封建的な世界を法の下に近代国家へと生まれ変わらせたとして再評価されてきている。漢の時代が約400年続いたのだけをとってもそのことは評価に値する。

 この江戸東京博物館では「美空ひばりと昭和のあゆみ展」が同時に開催されていた。忙しい合間の休日に、美術、彫刻、絵画、音楽などの芸術に触れてみるのもまた良いものである。
参考文献『:司馬遷「史記」の世界』

■関連サイト
TBS「始皇帝と彩色兵馬俑展」

Drの四方山日記(122)

yomoyama01.jpg

121.jpg 「地方に生きる人々」と題したほのぼのとした情報を1つお伝えしたい。それは『女紋(おんなもん)』である。母から娘へ“女系のしるし”を表したもので大まかに分けると2つあり、1つは「母系紋」と「替え紋」の継承される習慣、もう1つが継承されることが少ない紋である。これには実家の紋、私紋、アレンジ紋、通紋があるという。


 日本人であれば誰でも家代々の家紋を持っている。ただ、若い人には家紋の意味がわかっていない人が多い。家紋とは日本の文化が生んだ封建社会の象徴であった。しかし、現代のように封建制度が崩壊した世の中では本来の意味を失いつつある。それは現代社会が男女平等をうたう世の中であるため、かつての男社会に根付いた家紋に対して反発があったからである。しかし、『女紋』は男社会に反発しながら生き延びてきた継承された印である。

 では、『女紋』の歴史について述べると、起源は「源氏に敗れた平氏が残党狩りを避ける目的で余計に揚羽蝶(平家の家紋)を伝承させた」といわれる。平家の時代、女系は強く血統を大切にしていて、後世に残すため影の習慣として息を潜めてきたようだ。それが後の江戸時代に武家が嫁を嫁がせる際に、実家の家紋を持って行かせたのが始まりだといわれている。つまり家と家との繋がりの証であったようだ。もう一つは花嫁道具一式すべてに実家の家紋を施し、離婚法度の目的で家紋が使われた。つまり、離婚法度は女の所有物を勝手に持ち出して紛失すれば、生涯離婚はまかりならぬといういわれからきている。
『女紋』が一般に使われだしたのは江戸時代中期といわれ、東日本と西日本とでは習慣の違いがあった。当時東日本は武家文化、西日本は商人文化と東西別の文化が根付いていた。そのため東日本では武家社会、男社会であり家紋を大切にした。それに対して西日本の商家では表向きが男性優位であってもその裏では女性の力に大きく左右されていたため、女性が主人を立てながら家族、使用人の面倒や財政をも握っていた。そのため母系継承から『女紋が』生まれたのではないか。
121b.jpg
その『女紋』が最近静かなブームを起こしているようで、着物のデザインや小銭入れ、帯や紐、パンツ、手ぬぐいから、なんとどら焼きなどのお菓子にも家紋や『女紋』が焼印されて販売されている。今では女性の間でも一つのファッションとして流行しているようだ。余談になるが、女性が誰しも欲しがるルイ・ヴィトンのモノグラムは日本の家紋を元に作られたデザインだ。そのうち今には『女紋』のデザインも登場するのではないだろうか。

参考文献:(有)染色補正 森本 http://www.omiyakamon.co.jp
女紋特設ページより

Drの四方山日記(121)

yomoyama01.jpg

 「2004年8月22日、武装した覆面の2人組みに略奪されたエドワルド・ムンクの代表作「叫び」と「マドンナ」の2作品が発見された」とノルウェーの警察当局が発表した。
 ノルウェーの画家といえばムンクというくらい、北欧のみならず世界的に有名な画家である。彼の作品は主に表現主義的な作風が多く、生と死の問題や人間存在に関わる孤独、不安、嫉妬などを人物画に表現したものが多い。彼が描いた作品の多くは1890年代であったため、彼のイメージが「世紀末の画家」として今日まで伝えられている。
 私が14年前北欧に旅した時は、このムンクの作品を鑑賞できた。当時オスロ国立美術館が改修工事か何かで仮設美術館が造られ、その中に彼の作品が所狭しと展示されていた。ただ、案内人の説明によると、どうもここに並べられている主な作品はレプリカだったらしく、ボランティアの人が監視しているだけの簡素なものだった。実際の作品は美術館の地下倉庫に眠っていて、外国の用人や皇室関係が来訪する時や、外国への絵画の貸し出しをする時のみ本物を展示するらしい。もちろんオスロ国立美術館では本物を展示するそうだ。その時は大変な警備である。それでも白昼堂々と鑑賞客や警備員の前で強奪していく行為は映画さながらである。

 私がノルウェーに行った時は、オスロの街から15分程車で走ったところにエイゲベルグという町があった。ここは100年前「叫び」の舞台になった場所である。また、彼が生まれたローテンという村にも行った。そして彼が晩年アトリエとして使った家(記念館)も見学した。

 私はノルウェーに訪れる前はムンクという名前だけは知っていたが、作品はあまり知らなかった。最初に彼の作品を観た時、なんと暗い絵画が多いのだろうと思った。しかし、彼の生い立ちや生涯独身で通した生活などを調べると、まさに彼の作風は理解できる。元々ヨーロッパでは中世の時代から近代初期まで暗いイメージの作品が多く描かれた。それは民族間の紛争や戦争が影響しているようだ。しかし、ムンクを始めヨーロッパの有名な画家の作品は何か心に響く、そして感動する作品が多い。私も若い時、画家を目指した時期があった。しかし、残念ながらその道とは違い、今は医療の世界にいる。
 ともかく、世界が評価した素晴らしいムンクの作品が戻ったことは、美術を愛好する人々にとって喜ばしい限りである。

Drの四方山日記(120)

2009年6月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

月別 アーカイブ

ウェブページ