ライバルは日本人コーチ

yomoyama01.jpg

133.jpg シンクロナイズド・スイミングのワールドカップ2006が横浜国際プールで行なわれた。今回も予想通りロシアが全4種目制覇して優勝を飾ったのをテレビで見た。


 今大会の見所は日本とスペインの2位争いであった。日本はこれまでオリンピック、世界選手権、W杯の3大大会で、97年以来の銀メダルを守った。大会前までは2位日本は間違いないといわれた。しかし昨年の世界選手権で銅メダルに甘んじたスペインが予想以上に技術を磨いてきて今や日本をも脅かす存在になってきた。その急速に実力を伸ばしてきた理由は、指導する日本人コーチ藤木麻祐子にある。今までのダイナミックさだけで試合に臨んできたスペインが、日本人コーチが入ることによって細かい技術にも対応できるようになってきたのが実力アップにつながったようだ。何しろスペイン人は性格が明るい、その上厳しい練習にも耐えうる力を持っている人種のようだ。彼女たちの目標は日本ではなく本当はロシアにある。

 最終日前のデュエットではスペインのエースであるエマ・メングアルが素晴らしい表現力で芸術点をたたき出し日本に勝った。その勢いに乗ってチームでも互角以上の力を持ってきてTR(テクニカルルーチン)で戦った。当初、日本の「まずTRでリード」の思惑ははずれ全く同点で並ばれた。勝負はスペインが得意とするFR(フリールーチン)に持ち込まれた。そこで日本は相手の藤木コーチの裏をかいて有力選手をはずしチームワークを重要視した戦法で臨んだ。これは前日行なわれたデュエットでスペインが取った方法である。なぜなら日本のTRでの苦戦はあまりにも張り詰めた緊張感による呼吸の乱れが原因だったからである。普段冷静な日本のエース原田早穂までもが倒立技でミスをおかす失態を演じた。そこでスペインが得意とするFRでエースの1人である鈴木絵美子を中心に演技を組み立てて最後の演技に臨んだ。1人が出先で足を滑らせミスをしたが、演技に入ってからスペインのおかぶを奪う素晴らしい高度なテクニックで先に演技を終えたスペインを抜いて劇的な2位となった。その時のスペインの藤木コーチは天を仰いで残念がった。どんなスポーツにしろ日本の良さは細かい技術や演技を身上としている。これをうまく指導した相手の藤木コーチに拍手を送りたい。

 来年のW杯、そして2年後の北京オリンピックに向けてスペインがますます日本の強敵になることは間違いないだろう。

Drの四方山日記(133)

2009年6月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

月別 アーカイブ

ウェブページ