格差社会での居酒屋の考現

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146.jpg この頃国会でも格差社会のことが取り上げられ議論されている。確かに国民の間でも格差が拡大し、将来の生活に不安を感じる人が増えてきたように思う。日本より格差が大きい先進国はアメリカ・メキシコなど5カ国に過ぎないという。今まで日本の社会は中流階級が多かった。しかし、景気の低迷や高齢化社会の突入などで日本も格差が大きくなり、今やアメリカ並みになろうとしている。この状況は一般社会にも影響して、一般サラリーマンも楽しみさえ失われつつある。その最たるものが“居酒屋”である。居酒屋といえば昔はブルーカラーの労働者の憩いの場であったが、今やサラリーマンで満席になっているという。それは格差社会のせいか分らないが懐が寂しくなってどんどん安い店に流れてきているようだ。今までのヨレヨレの洋服を着た作業者は公園で何気兼ねすることなく酒を飲んでいる。これはまさに夜な夜な“のんべえ”が肌で感じる格差社会である。

 居酒屋といえばテーブル席よりカウンター席が多く客がひっきりなしに出入りし、店もあまりきれいでない、飲み物や食べ物が限定されているのが今までの定説であった。そこに頑固な親父が無愛想かつ無口であればまさに日本の居酒屋である。また1人でも行けたり、カップルや数人でも自由に出入りできるのが居酒屋である。居酒屋の俗語は「一杯引っかける」というのがスタイルである。また居酒屋の客も千差万別で知的な学者風の人、スーツ姿の上司と部下風の客、意味ありげなカップル、商店の親父っぽい連中などがいた。しかし、格差社会の影響からか日本社会も変わり、豊かで野心的な資本家階級、社会から閉塞する労働者級との間にある新中間層、それに今までの中間層であるサラリーマン層、またフリーターやアルバイトなどの低所得者層などで日本社会は形成されてきた。居酒屋へ行くとまさにこの階級社会が手に取るように分かる。今後はますます居酒屋の形態も格差社会で変わっていくのではないか。今まで親父の集まり的であった居酒屋も若い世代、特に女性たちも気軽に入れる店に変わりつつある。そのせいか、最近は年齢を問わずフランス料理を食べられるようなオシャレな店、横丁に連なる安い店、あるいは昭和のレトロっぽい造りの店などが出現してきた。格差社会が広がれば広がるほど居酒屋が繁栄してくるのではないだろうか。手頃な娯楽も少なくなった昨今、安いユニークな店で1杯飲んで憂さを晴らすのもサラリーマンの唯一の楽しみなのかも知れない。

Drの四方山日記(146)

2009年6月

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