教育現場のずさんさが露呈

W5.jpg 富山県立高岡南高校で発覚した履修単位不足問題で、日本中の高校が戦々恐々となっている。すでに全国各地の公私立高校で、必修科目が履修されず単位不足となっているのは10県65校で約1万2000人の生徒に影響が出ている。その中には必修を装った報告書を県の教育委員会に提出している「架空履修」もあったという。ではなぜそういうことが起こったのか。その一番の原因は、2002年度に当時の文部省がスタートした公立学校の週5日制が影響しているようだ。休日が増えたことで大学受験に不利なカリキュラムを強いられ、課題を消化することができないため今回のようなことが起こった。学校側も県の教育委員会に正規のカリキュラムと異なる、いわゆる「裏カリ」が常態化していったようである。ある予備校の関係者は今回の問題について「入試では世界史・日本史・地理のいずれかを選択すれば良い場合が多く、指導要領が大学受験の現実に対応してないことが原因だ」と言っている。元を正せば、文部科学省の高等学校学習指導要領第3款「各教科・科目の履修」の中にある「生徒の実態及び専門教育を主とする学科の特色を考慮し、特に必要がある場合には、その単位数の一部を減じることができる」に問題があるようだ。それなのに文部科学省は「必履修教科・科目が履修されていると思っていた。ありえない話だ。学習指導要領を守ってくれなければ、理科でも同様の問題が起きる可能性がある」と他人ごとのように言っている。自分たちが週5日制にもっていき授業時間数を減らして“ゆとり教育”をしたためではないか。まさに何をか言わんやである。すべて日本の行政はこれ然りである。ましてや大学受験の教育を推進するためには学校側も無理なカリキュラムを組まざるを得ないという状況をつくったのが今回の混乱の元である。「大学受験さえクリアすれば」の発想は政治家の「選挙に勝ちさえすれば」の考え方と何か共通しているように思える。もう少し親身になって将来の青少年の育成を考えて指導して欲しいものである。

 今回の問題は、私の故郷富山県の高校で発覚したのも自分としては何か感じさせられるものがある。ましてや日本でも富山県は教育県として名を馳せている地域である。この高校はもともと女子高であったが、数十年前に男女共学となり進学校として名を馳せつつあった。昨日私の中学時代の友人にこの学校について聞いたら、数年前に東大に1人合格したことで有名となったとのことであった。東大や京大は世界史が受験科目であるため、単位不足で受験ができないため補修を受講して単位を取ったという経緯があったようだ。このことが今回発覚の発端となった。

ともかく日本の教育もアメリカのGHQ時代につくられたものではなく日本の社会にあった、そして世界に通用するものをしっかりつくってほしいものである。時を同じくして安倍総理が「教育の改革」を公約に掲げていることは現在の日本には必至の事項であり、早急にやってもらいたいと願うばかりである。
参考資料:文部科学省 高等学校学習指導要領

話題シリーズ(5)

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2009年6月

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