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289.jpg 18日(水)に長崎市長が暴力団幹部に射殺された事件を受け、新たに伊藤市長の娘婿横尾氏と元市課長田上氏などが立候補した選挙は磐石の伊藤氏の支持母体に加え、弔い合戦の構図から横尾氏が絶対有利と言われていたが、長崎市民からは「世襲批判」の声が強く出て横尾氏の票は思ったほど伸びず「市政を熟知」している田上氏が接戦の末、市長の座をものにした。

選挙戦にこういうことがあると、身内が弔い合戦として立候補し圧倒的勝利をおさめるのが我が国では通例であるが、今回の場合は身内といっても娘婿で市政のことを熟知していなかったことが敗戦の因となった。もし、妻や娘が立候補したら逆に当選していたかもしれない。選挙民は一同に「イッチョウさんなら投票したのに…」と言っていたようだ。今回の敗戦に対し、妻や娘は憔悴しきった様子で「これでは父が浮ばれません」や「裏切られた思いがします」などとコメントされていたが、伊藤市長が亡くなって一番混迷したのは長崎市民であるということを忘れてはならない。確かに市の職員が市のトップに就くことになったが「本当に市民の一人として痛ましく辛い思いをした」と当選した田上氏が述べた。人間社会は強いリーダーがいなくなると得てして支援者が他の候補に移る場合が多いようだ。そのため今回はやり直し選挙にせずたった3日間での超短期決戦に臨んだが、結果は世襲ではなく市政重視の候補者に動いてしまった。まさに冷静に判断した長崎市民の願いが通じたようだ。

 これは夕張市長選や、原発から出る核廃棄物の処分場誘致の是非が問われた高知県東洋町の出直し町長選にも同じことが言えるのではないだろうか。夕張市は地元出身である候補が当選し、東洋町では反対派の新人が当選した。やはりどの選挙区も自分たちの地元を良くしようという考えは同じであるようだ。冷静な判断で選んだ地元民の勇気に「市民の意思」を感じた。
参考資料:毎日新聞 産経新聞 時事通信

Drの四方山日記(289)

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