7日、パーキンソン病に対して遺伝子治療を行ったと某大学病院が発表した。もちろん国内ではパーキンソン病に遺伝子治療を行ったのは初めてである。
この方法は脳内で薬をドーパミンに変化させる酵素を補う方法で、症状の緩和に効果が持てるというもの。現在は5人の患者に限定して行われているという。パーキンソン病は脳の中の黒質にある神経細胞が減少することにより神経伝達物質のドーパミンが不足することによって起こる病気である。
症状としては一側の手や足が震える、動きがのろく体が硬くなる、立ちくらみや強い便秘・頻尿や残尿などの症状がある。もっとひどくなると意欲が低下し、幻覚・妄想などの精神症状を起こす難病である。また高齢者に多く表れるのもこの病気の特徴である。これまで治療は酵素の働きを利用して、ドーパミンに変わる薬が有効的であったが、症状が進行した患者は酵素が極端に減り薬が効果を表さなくなる。よって薬の量が増えることにより副作用の問題が生じていた。そこで今回の遺伝子治療は薬物を大量に使わずに済み副作用がかなり減らせるようだ。
では、遺伝子治療とはどういうものなのか。疾病の治療を主旨として遺伝子または遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与するものである。現在の遺伝子治療の対象は致死性の高い遺伝性疾患やエイズ、ガンなどの生命を脅かす疾患に限られていた。そして今回の神経変性疾患であるパーキンソン病に対して、遺伝子治療に最も適しているため用いられたようだ。もっともパーキンソン病を治すのではなく進行を遅らせるものとしての治療である。もし長期に渡り治療を施せば、パーキンソン病の薬効の減弱やその他の副作用が逆に表れコントロールが難しくなってくる。
ただ、遺伝子治療はいわば再生医療の最先端の方法であり、研究及び臨床が重ねられてくると将来は日帰り遺伝子治療も可能になってくると医療専門家は予測している。今まで遺伝子治療の歴史はまだ12年だ。その意味からももっと臨床研究がさかんになっていろいろな重篤な病気にも十分対応できるので期待されている。例えば筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患やエイズなどの治療にも大いにこの遺伝子治療が活用される。また、末期のガン患者や血管疾患にも活用して効果があるとなれば、国民にとってこの上ない朗報である。医学も近未来は移植からバイオを使った遺伝子レベルの治療が一般化されてくるのではないかと想像される。病気に対する遺伝子治療ではなく、予防のための遺伝子を活用するのもこれからの医療としては必要ではないだろうか。ただ、私たち団塊の世代はその恩恵を受けられるかどうか、まだ今の段階では疑問である。
参考資料:時事通信 QOLeLifeLine 遺伝子治療の将来 より
健康コラム
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