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昨年11月、NHKで「高倉健が出会った中国」という番組が放送された。
ある映画の撮影の模様をドキュメンタリー風に描いたもので感動してみたことを、昨日の事のように覚えている。その映画を、偶然レンタルビデオで見つけた。その映画は高倉健主演の『単騎、千里を走る』で、日中の役者と監督、そして中国国民が深く関わっていて日本のみならず中国でも大反響だったものである。中国の京劇で有名な「千里走単騎」を中国で巨匠の言われているチャン・イーモウ(張芸謀)が監督した。この監督は兼ねてより日本の名優高倉健と組み映画を作りたいと15年来思い続けそれが結実したものだ。
文化大革命後の1978年、外国映画の開放政策が始まりその記念すべき第1作が高倉健主演による『君よ憤怒の河を渉れ』だった。この映画は中国全土に封切られ、それ以来中国人の間で高倉健の名前が一躍知れ渡り、映画人なら一度はこの名優の作品を撮りたいと願っていたようだ。チャン・イーモウ監督も今回の作品で15年前の熱い思いが通じた。2000年夏に高倉健と共に企画をスタートさせシナリオ作りに5年かけ、2004年にやっと撮影がクランクインした。中国での出演者は全て素人で、かつ実名で登場させ、より作り物っぽくない仕上がりにするためロケ地も本物の村で、人物も日常生活をしてる人達をそのまま登場させた半ばドキュメンタリー風に仕上げた。なぜなら本物の涙と誠実な人びとと心温まる人間愛を描くためである。それが中国と日本の間で起きた過去の悲しい出来事のわだかまりを映画を通じてなくそうとする監督の意図があったようだ。よって素人の俳優は現実の自分の立場とだぶらせ本当に号泣し、主人公の一人である子供も劇中高倉健との絡みではカメラを意識しない自然の振る舞いをしていて、何か温かみと感動を覚えた。何も映画は大金をかけて作らなくても、素晴らしいものができるのだと言うことをこの作品を通じて改めて感じさせられた思いがする。
参考資料:All About 『単騎、千里を走る』Official Site 野バラの雑記帳 より
Drの四方山日記(306)
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