人間の記憶の仕組みは不思議なものである。なぜなら知る前と知った後ではその人自身が違ってくるからだ。つまり、ものを知るということは自分自身が変わることである。もっと分かりやすく言うと、新しいことを記憶することは“脳が変わる”ことを意味する。人間の脳には神経細胞が1000億個以上あるといわれている。新しいことを記憶するとき、脳の中の何かが変化してくる。つまり、神経細胞の状態が変化すること。ただし、神経細胞の数は歳をとるごとに減少していくので、神経細胞を増やさせて新しい記憶をつくることは不可能である。では、記憶は脳のどこの場所によってコントロールされているのか。それは『海馬』というところで構成されている。海馬でつくられた記憶は過去の記憶と神経ネットワークでつながり、必要であると判断されれば側頭葉の大脳皮質に移行して貯蔵される。これが記憶のメカニズムである。
人間の脳は大切な記憶をすぐに思い出させるために関連する相対的に必要でない記憶を忘れ、脳の活動を効率化しているようだ。では、記憶を強化するにはどうしたらよいか。アメリカの神経学会で先頃報告されたのが記憶に睡眠が関わっているということだ。物覚えが悪い人は睡眠が不十分であるという結果がでた。十分な睡眠をとった人は記憶がはっきりしているようだ。それはドイツの大学でも証明され、人間の脳は深い睡眠中に記憶を反復させ定着させているとみられている。大人は1日7?9時間の睡眠が必要だと訴えている。先進国であればある程十分な睡眠をとっていないのが現状である。アメリカのある大学の研究チームは電子版を通じて発表したのに、物忘れには悪いイメージがつきものである。そのためには頭の中身も整理が必要だと訴えている。確かに睡眠は脳の記憶に強く結びついていることは間違いないようだ。記憶が低下するということはアルツハイマーや認知症になる要素にもつながる。そうならないためにも十分な睡眠が必要だということだ。
参考資料:てんとう虫5月号 iza 時事通信 日経ビジネス
健康コラム
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