4日、ロイター通信は、ネパールの国営ロイヤル・ネパール航空で飛行機に技術的異常が出たことを受け、ヒンズー教の空の神をなだめるために、ヤギ2頭を“いけにえ”に捧げたと伝えた。
この航空会社は、ここ数週間いろいろな技術的トラブルで何便か運航中止になっていたため、やむをえない処置として行われたらしい。トルコ航空でもラクダを“いけにえ”にして空の安全を祈った。
しかし、どちらもヒンズー教のクルバン(犠牲)は空港内、特に滑走路には動物を安全チェックなしに入れることは規則違反で、しかも滑走路に連れて行ったということは治安上からも問題で、現在政府が調査に乗り出している。
もともとヒンズー教の国は会社設立、新居購入や新車購入などの場合は安全祈願して神に“いけにえ”を捧げるという意味で血を流す風習がある。
しかも、“いけにえ”には鶏・羊・牛・ラクダと安い順に選ぶようだ。トルコ航空の場合は一番豪華なラクダを選んだ。
ネパールは、神の住む聖なるヒマラヤの山々や登山家の憧れであるエベレストがあり、そこにインド系・チベット系・中央アジア系の30の民族から成り立つ国で、ヒンズー教徒が大半を占めている。そのため血を好む破壊の神カリー女神やイスラム教のアラーの神の赦しを得るために“いけにえ”をすることで、民族の平和や死んでから天国に行けるという教えがある。
イスラム教などは五行の戒律(かいりつ)があり、その中に一生に一度はメッカに巡礼せよというものがあり、巡礼に行かない人たちは夜明け前に起きて体を清め新調の服を身にまとい、メッカの方向に向かって祈りを捧げる。
この日は神に羊を“いけにえ”として捧げ、皆に3分の1ずつ分配されるという。
それで“神の平安と恩恵が自分たちにあるように”が賜るらしい。
古くは日本にも人柱や殉死(じゅんし)とか、人の“いけにえ”が存在した。
現代人の我々にとっては何か動物をこういうことで殺生するということは理解に苦しむが宗教は思想のみならず、人格をも変えるというものなので、よほど深く入らないと神より恩恵を受けられないようである。
参考資料:ロイター通信 トルコ航空とラクダの話 ネパールのヒンドゥー教のいけにえ より
世相シリーズ(52)
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