生き方を失った日本人(2)

S62.jpg 心のストレスは文明の先端をいく先進国に多く起こるものと思っていたが、発展途上国特に封建的社会が強い国にもあることがわかってきた。

例えばイスラム教国のように複数の妻を持って生活している社会でも、同族の絆の強い共同生活の中にもストレスがあるという。健康であればすべて満足に生活できると思っていたが、実はそうではないようである。
健康であっても欲しいものが手にはいらなかったり、やりたいことができなかったり、思うようにことが運ばなかったりするとストレスに落ち入る。この状態が今の日本である。

ものがある故に人間は欲に駆られ欲しくなる。私に言わせれば“わがまま”である。
作家の曽野綾子氏は新聞紙上で面白いことを書いている。「食べるもの、寝るところ、水道、清潔なトイレ、安全正確な輸送機関、職業があること、困ったとき相談にのってくれる場所、タダで本が読める図書館、健康保険、重症であれば意識がなくても手持ちの金が1円もなくても医療機関に運んでくれる救急車、電車やバスの高齢者パス。これだけよくできた社会に生まれた幸運を感謝しないのは不思議」だという。私も同意見である。どの国に行っても必ず満足不満足がある。それを満たすことはなかなか難しいことである。しかしこの国はそれを満たすことができるのにも関わらず、不幸だと自分で思い込む。まったく日本人は勝手な民族である。

世相シリーズ62

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