医療先進国のアメリカは医療に巨費を投じたため、国民に高額な負担が生じて無保険者の増加などの社会問題が出現してきた。そこで医療費削減を目的として、マネイジド・ケアが生み出された。つまり医療に営利企業が参入し、サービスの向上と効率化が求めてきている。また近年では、医療の方向性も“治療から予防へ、入院から外来へ”と変貌してきた。
アメリカは日本と違い、国民皆保険制度でないため民間の保険会社に入るか、あるいは無保険者になるかどちらかを選択せざるを得ない。ただし連邦政府および州政府が運営するメディケアとメディケイドというものが存在している。メディケアとは65歳以上の高齢者及び障害者年金自給者に支給されるもので、メディケイドは低所得者(年間25,000ドル以下)に支払われるものである。それと日本と違い公的でない民間医療保険が存在している。この保険は医療費の適正化を図るためのシステムであり、アメリカ人の大半が加入している。この保険は種類によりいろいろな特典が設けられている。
アメリカ国民の医療保険加入状況は人口3億人に対し、民間医療保険者が約2億人、無保険者が約4700万人、メディケアが約3865万人、メディケアが約3645万人(2004年)である。ともかく病気になって病院に駆け込んでも保険がないと高額な請求がなされる。その点が日本と違うところである。
どれだけ高いかを例に出すと、盲腸(急性虫垂炎)にかかったとする。手術代と一日の入院費が都市によって異なり、ニューヨークでは平均費用(入院1日含む)が243万円、ロサンゼルスは194万円、ボストンでは169万円が請求される。ちなみに日本の場合は、保険を使わないで36万8000円で保険を使うと13万4000円であるという。この違いは何だと言いたい。いかに日本の皆保険制度が国民にとってプラスになっているか知ってほしいものだ。アメリカに滞在する日本人によっては病気になると、日本に一時帰国して治療を受ける人も最近多くなってきているようだ。やはりアメリカは住みにくい国だ。
健康コラム
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