世相シリーズ: 2007年9月アーカイブ

S53.jpg ここ10年の東京の移り変わりは激しい。私のクリニックがある新宿南口も今や22年前に開業した当時の面影はなく、東京のみならず日本の中心地となった。
おそらく東京で一番変わった場所ではないだろうか。来年にはタクシー・バス乗り場を含めた広場ができ、そのあと新幹線のターミナル駅の設置工事に入るという。

その前に新宿を中心に渋谷から池袋までの副都心の繁華街をつなぐ東京メトロ副都心線が来年6月に開通するという。まったく驚きである。
特に渋谷駅は今まさに大改造されようとしている。
それは開通する地下鉄「副都心線」の相互乗り入れに備え、東急東横線の渋谷駅を全面的に造り替えようというものだ。
昭和31年に映画館や美容室、遊技場などを集積した、当時最先端施設として東急文化会館が渋谷駅東口にオープンした。残念ながら今は取り壊されてしまったが、その跡地から渋谷駅までの地下部分に巨大な新駅が造られるという。

この駅は長さ80メートル、幅24メートルという巨大な「卵形空間」でこれが地下に建設される。まさに“地下にある宇宙船(地宙線)”をイメージした地下深く浮遊する都市として生まれ変わる。その設計を任されたのが、世界的建築家・安藤忠雄氏である。
駅内はホームからエスカレーターを乗ると、映画によく出る宇宙船内に入るイメージで改札階に上がるよう設計されている。
それと今、温暖化問題が騒がれているが、その対策として天井及び壁面を冷却する「放射冷熱」のシステムを施すという。それは今までの換気ダクトを使った冷房に比べ、かなり電力消費が削減されるようである。
駅構内も中央部を三層吹き抜け構造にして、地下空間を開放的にするようだ。

それと、安全対策としてホームからの利用者の転落防止のための可動柵が設けられる。その渋谷駅から池袋駅まで直結する“地下の山手線”は「副都心線」のキャッチフレーズで開通することになる。
東京都西部、埼玉県、神奈川県からも乗り入れでき、改札を通らずに乗り換えができる便利な駅になる。
まさに、銀座・丸の内・六本木の都心繁華街に対抗していこうという意図があるようだ。ともかく、このところの新宿・渋谷・池袋は高層ビルなど建設ラッシュが相次ぎ、今は昔の面影すら残っていない。果たして利便性は人間の体にとっていいことなのか、近い将来結果がでるであろう。
参考資料:新宿区新聞 東京メトロ情報HP より

世相シリーズ53

S52.jpg 4日、ロイター通信は、ネパールの国営ロイヤル・ネパール航空で飛行機に技術的異常が出たことを受け、ヒンズー教の空の神をなだめるために、ヤギ2頭を“いけにえ”に捧げたと伝えた。

この航空会社は、ここ数週間いろいろな技術的トラブルで何便か運航中止になっていたため、やむをえない処置として行われたらしい。トルコ航空でもラクダを“いけにえ”にして空の安全を祈った。
しかし、どちらもヒンズー教のクルバン(犠牲)は空港内、特に滑走路には動物を安全チェックなしに入れることは規則違反で、しかも滑走路に連れて行ったということは治安上からも問題で、現在政府が調査に乗り出している。
もともとヒンズー教の国は会社設立、新居購入や新車購入などの場合は安全祈願して神に“いけにえ”を捧げるという意味で血を流す風習がある。
しかも、“いけにえ”には鶏・羊・牛・ラクダと安い順に選ぶようだ。トルコ航空の場合は一番豪華なラクダを選んだ。

ネパールは、神の住む聖なるヒマラヤの山々や登山家の憧れであるエベレストがあり、そこにインド系・チベット系・中央アジア系の30の民族から成り立つ国で、ヒンズー教徒が大半を占めている。そのため血を好む破壊の神カリー女神やイスラム教のアラーの神の赦しを得るために“いけにえ”をすることで、民族の平和や死んでから天国に行けるという教えがある。

イスラム教などは五行の戒律(かいりつ)があり、その中に一生に一度はメッカに巡礼せよというものがあり、巡礼に行かない人たちは夜明け前に起きて体を清め新調の服を身にまとい、メッカの方向に向かって祈りを捧げる。
この日は神に羊を“いけにえ”として捧げ、皆に3分の1ずつ分配されるという。
それで“神の平安と恩恵が自分たちにあるように”が賜るらしい。
古くは日本にも人柱や殉死(じゅんし)とか、人の“いけにえ”が存在した。
現代人の我々にとっては何か動物をこういうことで殺生するということは理解に苦しむが宗教は思想のみならず、人格をも変えるというものなので、よほど深く入らないと神より恩恵を受けられないようである。
参考資料:ロイター通信 トルコ航空とラクダの話 ネパールのヒンドゥー教のいけにえ より

世相シリーズ(52)

2009年6月

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