健康コラム: 2007年5月アーカイブ

K14.jpg 首都圏を中心に“はしか”が流行し、大学や高校は次々に休校に追い込まれる状況が続いている。特に人口の多い関東では過去最悪のペースで感染者が増えているようだ。この状態は前に大流行した2001年のはしかの猛威の再来を思わせる。国立感染症研究所の調査によると今年1月から4月末の4ヶ月の間に患者数383名が報告されているという。このままでははしかも全国へ拡大しそうだ。

今回のはしかは10代?20代を中心とした15歳以上の「成人麻疹」の集団感染だ。当然首都圏は人口密度が高いため、感染スピードが速いのも当然である。ゴールデンウィーク明けには宮城・島根なども新たに感染が報告され、今や全国に及んでいる。今日はしか以外に、百日咳が新たに香川大学医学部で42人見つかり、25日から休講することになった。まさにお手上げである。

 では、なぜこうもはしかなどの伝染病が増えたのか。その1つは小学生時に定期的予防接種を怠ったのが1つの原因といわれている。はしかにしろ百日咳にしろ、予防接種が行われるようになってから激減した病気の一つである。そのため我々の小学校時代には必ず特別なことがない限り予防接種を徹底的に受けさせられた。それが、1989年にはしか・おたふく風邪・風疹を予防するためのMMR(新三種混合)ワクチンが導入された際、副作用で死亡したり重度の障害を負うケースが相次いだ。そのため接種が93年までの4年間は接種率が落ちて、一部使用が中止されたことがある。それ以来患者の発生が激増したことは紛れもない事実である。そのため一才児と小学校入学時の年長時の2回、各市町村が医療機関に委託し実施していた。それがなぜかいろいろな問題が生じて受けない人達が多くなり、今回の結果につながったと思えてならない。それといくつかの例であるが、頭痛から高熱を出し病院を受診したところ「風邪」と診断され、薬によって一時的に熱は下がったが、再度高熱を出し全身に発疹が現れてはしか特有の症状が出たため、精査を行った結果はしかと診断された。確かに風邪とはしかの見分けは難しいが、専門医である以上的確に診断して欲しいものである。なぜならはしかには特効薬が効かないからである。
はしかは通常一度掛かれば二度とかからない感染症である。ただ、一度ワクチンを打っても数パーセントは免疫ができず、できた免疫も時間が経つと低下する傾向にあるようだ。そのため早めにワクチンを打って状況を打破して欲しい。事が大きくなってワクチンを求める人が殺到してもなかなか手に入らない。ある医薬品卸組合によると単独ワクチンは年間25万本製造され、均等に各都道府県に卸される。そのため今回のような状況になると製造に数ヶ月を要するため、各県になかなか行き渡らないのが現状である。国としても管轄である厚生労働省を中心に早く手を打って、今回の伝染病による異常事態を解決いて欲しいものである。
※ はしか(麻疹)…麻疹ウィルスの感染によって発熱・せき・目の充血・全身の発疹などが生じる急性伝染病。流行季節が冬から春にかけて起こる。
※ 百日咳…せきと共に飛び散る百日咳菌を含んだ飛まつを吸い込むことによって、人から人へ伝染する病気。特徴は短いせきが10回?15回ほど連続して起こる。(家庭医学・小学館より抜粋)
参考資料:毎日新聞 河北新報 読売新聞 All About より

健康コラム

K13.jpg 今日の朝、ラジオですごくためになる情報を流していた。それは紫外線を遮断するため日傘が売れ出しているという話である。
日傘といえば女性が使うものだと思いがちだが、最近は男性にも人気があり日傘をさす若者が増えてきたという。


 2002年環境庁から発行された「紫外線保健指導マニュアル」を、2005年に気象庁が再度紫外線情報として伝えた。それによるとオゾン層の破壊の影響で、地上に到達する紫外線が極度に増え、人体に大きな影響を及ぼすというもの。では、紫外線とは何か。

紫外線は太陽光線の1つで3つに分けられ、UV?AとUV―B、UV?Cがあり、UV?Aは日焼けサロンなどの機械にも使用されるサタン状態をいい、シワの原因にもなる。UV?Bはエネルギーの強さで、物質そのものを破壊する紫外線でカーテンやじゅうたんを褐色にしたり日焼けによってDNAに作用して皮膚ガンなどの原因をつくる。
最近の紫外線の怖さは日光アレルギーで、有害性が多く問題になっている。よく紫外線を遮断するのに黒い傘が使われる場合が多いが、全て100%完全遮光することは出来ない。確かに黒い日傘は白い日傘よりも紫外線をカットすることは出来るが、その差は10%くらいしかないという。また、夏に黒い服を着ていると吸収された可視光線や赤外線で逆に暑くなる。紫外線ばかり危険視されているが、熱が伝わる赤外線や可視光線をもカットしなければ、逆に暑くなる場合が多いようだ。

 これから日差しが強くなる夏に向けて、紫外線の量が増える季節になってくる。ましてや地球環境の悪化によって強い障害性を持つ有害紫外線を多く出すため、皮膚に直接影響を与える。紫外線を過剰に浴びると皮膚の免疫力を低下させ、肌の老化を促進し皮膚ガンになりやすいという。通常オゾン層が10%減ると皮膚ガンが26%増すといわれている。紫外線の怖さは何も直接当たることだけではなく、累積されて身体が変化したときに肌の老化や病気を起こすことにある。そのため、予防としては長時間直射日光に当たらないようにすることだ。特に紫外線の強い正午の前後2時間は外出を避ける。もし外出するときはつばの広い帽子や長袖・長ズボン、そして今回の話題になっている日傘で紫外線をカットする。サングラスはUVカット効果があるので必要に応じて外出時に使うようにする。また、ビタミンCの含有量の強いサプリメントを使うのも1つの手である。

 私も夏によく海外に出かけることが多いが、場所によっては40℃を超えることがあるので、帽子・サングラス・ペットボトルの水を必ず携帯することに努めている。日光による有害性もそうだが最近では人間の体も人工的になり、あまり自然食を摂らなくなったせいか体の抵抗力が極度に落ちているため、皮膚の障害や眼の異常、免疫の低下などを引き起こしてきている。これから来る暑い夏に向かって今から対策を考えよう。
参考資料:サンバリア100 「紫外線と皮膚がんの関連性」by大場敏明 より

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K12.jpg 7日、パーキンソン病に対して遺伝子治療を行ったと某大学病院が発表した。もちろん国内ではパーキンソン病に遺伝子治療を行ったのは初めてである。
この方法は脳内で薬をドーパミンに変化させる酵素を補う方法で、症状の緩和に効果が持てるというもの。現在は5人の患者に限定して行われているという。パーキンソン病は脳の中の黒質にある神経細胞が減少することにより神経伝達物質のドーパミンが不足することによって起こる病気である。
症状としては一側の手や足が震える、動きがのろく体が硬くなる、立ちくらみや強い便秘・頻尿や残尿などの症状がある。もっとひどくなると意欲が低下し、幻覚・妄想などの精神症状を起こす難病である。また高齢者に多く表れるのもこの病気の特徴である。これまで治療は酵素の働きを利用して、ドーパミンに変わる薬が有効的であったが、症状が進行した患者は酵素が極端に減り薬が効果を表さなくなる。よって薬の量が増えることにより副作用の問題が生じていた。そこで今回の遺伝子治療は薬物を大量に使わずに済み副作用がかなり減らせるようだ。

では、遺伝子治療とはどういうものなのか。疾病の治療を主旨として遺伝子または遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与するものである。現在の遺伝子治療の対象は致死性の高い遺伝性疾患やエイズ、ガンなどの生命を脅かす疾患に限られていた。そして今回の神経変性疾患であるパーキンソン病に対して、遺伝子治療に最も適しているため用いられたようだ。もっともパーキンソン病を治すのではなく進行を遅らせるものとしての治療である。もし長期に渡り治療を施せば、パーキンソン病の薬効の減弱やその他の副作用が逆に表れコントロールが難しくなってくる。

ただ、遺伝子治療はいわば再生医療の最先端の方法であり、研究及び臨床が重ねられてくると将来は日帰り遺伝子治療も可能になってくると医療専門家は予測している。今まで遺伝子治療の歴史はまだ12年だ。その意味からももっと臨床研究がさかんになっていろいろな重篤な病気にも十分対応できるので期待されている。例えば筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患やエイズなどの治療にも大いにこの遺伝子治療が活用される。また、末期のガン患者や血管疾患にも活用して効果があるとなれば、国民にとってこの上ない朗報である。医学も近未来は移植からバイオを使った遺伝子レベルの治療が一般化されてくるのではないかと想像される。病気に対する遺伝子治療ではなく、予防のための遺伝子を活用するのもこれからの医療としては必要ではないだろうか。ただ、私たち団塊の世代はその恩恵を受けられるかどうか、まだ今の段階では疑問である。
参考資料:時事通信 QOLeLifeLine 遺伝子治療の将来 より

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