健康コラム: 2008年11月アーカイブ

K52.jpg わが国は、世界のどの国と比較してもみても、理想的医療制度が存在し、安心して治療を受けることができる。その根底にあるのが国民皆保険制度であり、いかなる高度な医療も普遍平等に受けることができる。

しかし少子化による人口の減少、高齢者の増加、医療技術の進歩に伴う高価な医療機器などの普及によって医療費が高騰し、国がすべてにおいてまかないきれない状況に陥り、患者の負担がますます増えてきた。そのため国民保険料や社会保険料の未払いが多くなり、今のままでは満足のいく医療ができない状況になりつつある。もともと日本の保険による医療費の四分の一は税金でまかなわれている。その税金は一般会計から出ている。その一般会計からどれだけ助成できるかによって決まると言われている。

イギリスもかつては医療費をすべて税金でまかなっていたが、財政負担から1960年から医療費抑制政策を推し進めた。さらに70年代には当時のサッチャー首相が市場原理主義による医療費と教育費の抑制を行い官僚による管理を強めた。その結果、優秀な医師や医学者が国外に出て医療の荒廃を招いてしまった。90年代後半になってブレア首相が抑制策の失敗に気づいて、医療費を1.5倍に増加したが、思うようにいかず医療への社会的不信から、今日アメリカのような民間に頼る保険制度になった。

日本もイギリスの失敗に学び極端な医療経済システムを用いず、社会的共通資本の考えを導入すべきである。それを怠ると国が国民に対して満足な医療費として払うことができなくなり、やがてアメリカのような民間保険を導入せざるを得ない状況になってくるのではないか。
参考文献:自分を守る患者学 渥美和彦著 PHP新書 参考資料:杉本クリニックHP

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K51.jpg 医療先進国のアメリカは医療に巨費を投じたため、国民に高額な負担が生じて無保険者の増加などの社会問題が出現してきた。そこで医療費削減を目的として、マネイジド・ケアが生み出された。つまり医療に営利企業が参入し、サービスの向上と効率化が求めてきている。また近年では、医療の方向性も“治療から予防へ、入院から外来へ”と変貌してきた。

アメリカは日本と違い、国民皆保険制度でないため民間の保険会社に入るか、あるいは無保険者になるかどちらかを選択せざるを得ない。ただし連邦政府および州政府が運営するメディケアとメディケイドというものが存在している。メディケアとは65歳以上の高齢者及び障害者年金自給者に支給されるもので、メディケイドは低所得者(年間25,000ドル以下)に支払われるものである。それと日本と違い公的でない民間医療保険が存在している。この保険は医療費の適正化を図るためのシステムであり、アメリカ人の大半が加入している。この保険は種類によりいろいろな特典が設けられている。

アメリカ国民の医療保険加入状況は人口3億人に対し、民間医療保険者が約2億人、無保険者が約4700万人、メディケアが約3865万人、メディケアが約3645万人(2004年)である。ともかく病気になって病院に駆け込んでも保険がないと高額な請求がなされる。その点が日本と違うところである。

どれだけ高いかを例に出すと、盲腸(急性虫垂炎)にかかったとする。手術代と一日の入院費が都市によって異なり、ニューヨークでは平均費用(入院1日含む)が243万円、ロサンゼルスは194万円、ボストンでは169万円が請求される。ちなみに日本の場合は、保険を使わないで36万8000円で保険を使うと13万4000円であるという。この違いは何だと言いたい。いかに日本の皆保険制度が国民にとってプラスになっているか知ってほしいものだ。アメリカに滞在する日本人によっては病気になると、日本に一時帰国して治療を受ける人も最近多くなってきているようだ。やはりアメリカは住みにくい国だ。

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K50.gif 17日、理化学研究所がアレルギー性喘息など気道過敏症をひきおこす悪玉細胞を発見したと発表した。喘息といえば代表的なのはアレルギー性喘息である。子供に起こる気管支喘息の多くは、この病型である。国内のアレルギー性喘息の患者数は300万人に達し、いまや国民的病気となっている。世界を見てもこの病気の患者は3億人いると言われ、死亡者数も年間25万人超に及び、わが国でも3000人の患者が亡くなっていると言われている。

アレルギー性喘息はのど(気道)の過敏性が高まって発症すると言われ、その原因細胞や分子メカニズムはこれまでわかっていなかった。それが今回の研究グループにより、アレルギーを伴い気道過敏を起こす悪玉細胞が、コミュニケーション機能をなすインターロイキン(IL)?17RBというたんぱく質の受容体をもつ、一部のナチュラルキラーT 細胞(NKT細胞)であることを突き止めた。

実験では、人為的にこのNKT細胞を欠損させて、IL?17RBの働きをとめたモデルマウスを使って喘息症状を誘発させたが、気道の炎症が起こらないが、NKT細胞を欠損させたマウスにIL?17RB の受容体を持ったNKT細胞を移入すると気道炎症が憎悪することを確かめた。

この実験が社会的に求められているアレルギー性喘息の克服や、慢性化する前の予防になれば素晴らしい。日本の科学者による研究も捨てたものではないと改めて感服した。
参考資料:毎日新聞 より


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K49.jpg このところ医師不足とやらで病気をしてもなかなか病院にかかることが難しくなってきた。風邪をひいたときなどに体温を測ろうとするが、従来の水銀式の体温計だと時間がかかって面倒である。ましてや結果を早く知りたいときはイライラしてくる。そんな時早く結果を知るのに便利なのが「耳式体温計」である。1秒で検温し音で知らせてくれる優れものである。幼児や子供が熱を出したときなどいち早く測れるので非常に便利である。

体温計には大きく分けて三種類ある。従来の水銀式(約10分必要)、電子体温計(約10秒必要)、耳式体温計(約1秒必要)がある。水銀式は脇に入れて測定するものであり、電子体温計はやはり脇で測るものと、口中で検温できるものがある。また体温の計測完了をブザーで知らせてくれる。誤差も±0.1℃とかなり精度が高い。そして最後の耳式体温計は瞬時にブザーで知らせてくれるので、子供の検温には最適である。

耳式の体温計は耳の中の鼓膜の周囲の温度に相当して放出される赤外線の量を測定することで体内の温度を表示してくれる。値段は約4000円くらいするが、ひとつあると緊急の場合に便利である。もともとこの体温計はターゲットが赤ちゃんからお年寄りまで全年齢層に対応している。これからの時代病院に行く前に最低限体温だけでも測っておけば医師の診療の手助けになるのではないか。どんどん普及すればおのずと価格も安くなって、国民にとっては必需品となるだろう。

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